ぐる式 (貳) より引っ越し作業中.未完.

2000年10月11日水曜日

本日の収穫:センシュアル・ワールド, レッド・シューズ

本日の収穫:音観物

  1. Kate Bush, "The Sensual World The Video", (センシュアル・ワールド), 東芝EMI, TOLW-3189, Jul 27, 1994
  2. Kate Bush, "The Line, The Cross & the Curve", (レッド・シューズ), 東芝EMI, TOLW-3198, Dec 14, 1994

 某オークションにて,ようやく発見捕獲したもの. "The Hair of the Hounds" 以来,映像版からご無沙汰していたのだが,やっと観ることができた.しかも,売り手の Y さんとは, Kate Bush ネタで妙に盛り上がってしまう.

 『センシュアル・ワールド』の方は頭にロング・インタビューがあって,あとクリップが 3 本.タイトル曲 "The Sensual World" のみょ〜〜んと延びる音に包まれると気持ち佳い. "Love & Anger" では,なんとデイヴ・ギルモアの変わり果てた姿にお目に掛かれる.おめぇ,いつからグレッグ・レイクになったんだ? ラストの "This Woman's Work" は力が入っていて掌編映画とでも言うべき内容.ストーリーは,オムニバス『アリア』のケン・ラッセルのやつ (『トゥーランドット』) を裏返したと思えば判りやすい (?).音楽は淡々としているのだが,映像の方は,表現は抑えているのにも関わらず激情的.

 『レッド・シューズ』の方は,なんとコンセプト・アルバムの通り,全曲を通して短編映画 (約 45 分) になっちょる.まるで Genesis の "The Lumb lies down on Broadway" である.というか,むしろ,こちらの映像版の方が基本であって,音の方は派生物なのかも知れん.ストーリーはグリムのお伽噺がベースだが,それに,ユンクの影がちらほら.強調してあるのは「関係」.もしかして,ウィリアム・メインもイメージ的に関係ある? しかもベースが残酷ものなので,映像は暗めだしアグレッシヴ.リンゼイ・ケンプが出てくるというオマケ付き.こりゃ,やっぱ音だけ聴いてたら判らんわな.こういうのを「頭をぶん殴られる映像」と言うのだ.

 帯に曰く『"赤い靴 (レッド・シューズ)" によって導かれる狂気にも似たダンスの世界……』.まぁ,そうなんだけどさ,なんでそう即物的に解釈するかな.ダンスは "赤い靴" の派生物だからエエとして,「狂気」なる言葉で形容される世界を導入する "赤い靴",この「赤い靴」にまで矮小化されたものが,いや,そこまで矮小化しないことには手に負えないであろうナニモノかを感じ取る感覚が残されていることを確認すれば,それでエエのだ.

2000年10月9日月曜日

●シアター松田:ムトゥ踊るマハラジャ, 親指ウォーズ, ウテナ

  1. ムトゥ踊るマハラジャ
  2. The Thumb Wars
  3. 少女革命ウテナ,テレビ版第一話

 The Thumb Wars は,親指人形 (のようなもの) で The Star Wars のパロディ版をやるという大馬鹿もの (誉め言葉).あたしゃ Star Wars なんて観たことないので,細かい所は判らないのだが,基本的にバカ路線で大笑い.アメリカ人の考えるこたぁ,まったく.\(^O^)/

 ウテナは,オヤヂには辛い絵だが,これ匂う匂う,高取英の匂いがぷんぷん. J. A. シーザーが音楽やってるというのは伊達ではない.しかし,シーザーの音楽が全国のお茶の間に流れたのだろうか. \(^O^)/ そんなら, Magma の音楽が流れても,もうダイジョブだね.もう,クリスチャン・ヴァンダーが音楽書いた『トリスタンとイゾルデ』放映してもエエんでないかぃ? しかし,なんだねぇ,女性の男装って,古びないんだね〜.

 スーパースター・ラジニ・カーント & ミーナのコンビによる『ムトゥ踊るマハラジャ』は,延々 3 時間の長丁場. 3 時間というと,『薔薇の騎士』全曲休憩なしと同じくらい.でも,おもろい (で,インドでは太めが基本?).基本的にフィガロ + 貴種流離譚 + 禅譲 + 水戸黄門 / 木枯紋二郎の超娯楽大作.しかし,インドの小室哲哉,インドのスピルバーグはねぇだろ,ヤンキーなんてインド行ったらメロメロぢゃねぇか > リチャード・T・コンロイ, "インド展の憂鬱".マサラのパワー (チベットの密教芸術の凄まじいパワーを見よ) に比べたら,西欧文明とその尻にくっついてる隷属国なんて,屁の河童でしかない.なんてたって,アガルタを隠し持つ謎の国だからね〜.ミーナが 9 種の古典舞踊の訓練を積んでいるのには納得.さすがにピタリと決まる.途中,「マハーバーラタ」が出て来ていたの気付きました?

 音的には,以前,ホルガー・シューカイが『ペルジアン・ラブ』のヒットを飛ばしていたので,それを聴いていれば違和感はない.ただ,ビートはもっと単純になってるな.

 しかし,空気が違うね.始めの方のモブシーンで自転車の大群が出てくるのにはびっくり.そういや,大昔,シンガポールでインド映画 (だったと思う) のテレビ放映を観たが,あれも凄かったよな.なんつーか,世界が違うんだよな〜.

2000年10月6日金曜日

本日の収穫:クライバーのラ・ボエーム at スカラ座, 1979

本日の収穫:観物

  1. Puccini, "La Bohème", Cotrubas, Pavarotti, Popp, Keiber, Opera Video 101, ?

 1979 年はスカラ座のライヴ映像.某オークションで競り落としたもの.パッケージのクレジット観ると, Mar 30, 1979 の Recitative 盤Mar 30, 1979 の Melodram 盤 と同じ日の収録らしいが,まぁ,当てにはならんからな〜.映像そのものは松下さんのチェック通ったから,たぶん問題なかろう.ま,錦糸町 100 インチシアターで観てみようっと.

 Carlos Kleiber website によれば,NHK-TV Broadcast on 22 December 1979 とのこと.これは知らんかったなぁ〜.まぁ, Wiener Staatsoper の来日はその翌年だからしょうがねぇけど.

 ちなみに,だけど,映画『レナードの朝』で,アンソニー君が「世界で最も美しい音楽」と言って,第一幕のデュエット "O soave fanciulla 「愛らしいおとめよ」" のレコードを掛けるシーンがある.いや,佳いんだけど,「世界で最も美しい音楽」とまで言われるとね〜.『村のロミオとジュリエット』のエンディングとか,『薔薇の騎士』の最後のデュエットは? とかツッコミを入れたくなってしまう.でも,声楽を「最も美しい音楽」とするセンスは誉めてあげよう,って,何を偉そうに言ってんだか.ま,それはともかく,「ラ・ボエーム」って,どうしてもアニメの『フランダースの犬』を連想させるんだよな〜.まぁ,ミミはネロより救いはあるけど.それにしてもネロは救いがねぇよなぁ〜.アロア,なんとかしちゃれよ.で.「美しい」と言えば第二幕の「ムゼッタのワルツ」も佳いじゃん.なんでか?(サラ・イイネス風に) ポップさんが歌ってるからに決まってるぢゃん (笑).いや,それは別にしても,希代のメロディ・メイカー,プッチーニは,メロディラインが降りてくるところがいちばん綺麗なんだよね.ツボをばっちし押さえてますね.