ぐる式 (貳) より引っ越し作業中.未完.

2011年6月5日日曜日

2011/05/29 の収穫:小中千昭x安倍吉俊『ですぺら』,小中千昭『scenarioexperiments lain the series』新装板

2011/05/29 の収穫:讀物篇

『ですぺら』,もうどこにも見掛けないので,密林頼み.で,ついでに「こちらも如何ですか」攻撃に敗退.

値段上がったとしても,版面もうちょと大きい方が佳かった.かも.「あいん」は「lain (ぁいn)」の残響なんかね.ちなみに,本作でも あいん は「お父さん」を作っとります (p. 63).ただし,こちらの<お父さん> (p. 69) は あいん を胚胎して姿を消す.「胚胎」というより,芯にするという感じか.

華やかな欧風文化が浸透し 民権運動,女性の社会進出が始まり 破滅へとひた走る足音も響きはじめる そんな大正時代 混沌の「浅草十二階」を舞台に 未来を覗く男と少女を描いた ちょいと不思議なお話 ——それが「ですぺら」

シナリオ本,版面が従来の新書判から四六判に拡大.値段もほぼ 4 倍.

2011年6月2日木曜日

2011/05/27 の収穫:麻耶雄嵩『メルカトルかく語りき』,『貴族探偵』,『ブ ーレーズ作曲家論選』

2011/05/27 の収穫:讀物篇

  • 麻耶雄嵩 "メルカトルかく語りき", 講談社ノベルス, 2011, ISBN978-4-06-182778-3
  • 麻耶雄嵩 "貴族探偵", 集英社, 2010, ISBN978-4-08-771352-7
  • ピエール・ブーレーズ "ブーレーズ作曲家論選", 笠羽映子 訳, ちくま学芸文庫, 2010, ISBN978-4-480-09237-3, (Pierre Boulez "Regards sur Autrui", etc, 2005, 1966, 2002)

どくた の tweet でノベルズ新刊が出たことを知ったので, Cincom Developers Night in アップルストア銀座 Vol.1 を覗きに行くついでに.半ば諦めかけていた『貴族探偵』も無事発見捕獲.

で,その後,『メルカトルかく語りき』,『貴族探偵』,『隻眼の少女』,この順番で一気読みしたら damaged area が max.刊行順に『貴族探偵』,『隻眼の少女』,『メルカトルかく語りき』で読めばよかったと後悔しきり.『隻眼』の元ネタはチェスタトンか,バロネス・オルツィか.しかし,『メルカトルかく語りき』凄ぇな (笑). 1 冊で 5 回ポカーンってなる (「まじかる」は付かない).

メルカトルかく語りき / 麻耶雄嵩 / 講談社ノベルス 今月の新刊。「死人を起こす」「九州旅行」「収束」「答えのない絵本」「密室荘」 の5編を収録。雑誌メフィストに収録されたものと書き下ろしで構成。

日本推理作家協会賞受賞後の第一作。期待に違わぬ問題作、かつ、一読後の印象はなんじゃこりゃ。ミステリの極北か、はてまた問題咋か。「収束」までは一応の結末の体裁をとっているが、残り2作の終わり方は一体....。

ミステリはついに麻耶雄嵩氏でなければ描けない高みに到達したのか。それとも、ミステリですら、ないのか。こういう言い方が適切かどうかわからんが、少なくとも麻耶雄嵩氏の小説で「最初に読む」ことはお薦めできないなぁ。「隻眼の少女」をも越えてしまっている。わしは面白く読んだけど。

[ どくたや又右衛門(@doc_mataemon)/2011年05月25日 - Twilog より ]

ブーレーズ論集で取り上げられているのは,バッハ,ベートーヴェン,ベルリオーズ,ヴァーグナー,マーラー,ドビュッシー,ヴェーベルン,シェーンベルク,ストラヴィンスキー,ベルク,そしてケージ.