2012/08/28 の収穫:讀物篇
- 阿部共実 "空が灰色だから", vol. 2 秋田書店, 2012, ISBN978-4-253-21716-3
- 竹本健治 "かくも水深き不在", 新潮社, 2012, ISBN978-4-10-332481-2
- ジェラルド・カーシュ "壜の中の手記", 西崎憲, 駒月雅子, 吉村満美子, 若島正 訳, 角川書店, 2006, ISBN978-4-04-296101-7, (Gerald Kersh "he Oxoxoco Bottle and Other Stories",)
コメディーか、ホラーか、背徳か、純真か…。思春期の“うまくいかない”日常を描く、至極のオムニバス。毒&キュート&笑い乱舞!!
なんか,プリミティヴでアトム・ハート・マザーな衝動めいたものが後退して,そのぶん技が目立つようになってしまった.言語崩壊系もさほど.といいつつも,第19話「黒」,第21話「こんなにたくさんの話したいことがある」,第22話「ニッポン噫乎,人情カツアゲ傷害ウルトララプソディ」,第24話「世界の中心」は爆発しとる.
第3巻は 10月5日発売予定.
見られた者が鬼になる――。精神科医・天野不巳彦が遭遇した4つの怪しい物語。最初は子どものころの冒険だった。そのとき僕は鬼の眼を見たのだ。闇に咲く光。記憶の底に浮かぶ人影。忌まわしい事件の謎。それらは何を伝えようとしているのか。物語に引き寄せられる天野の、暗い淵を見つめるまなざしの行方は? 最後に解き明かされる真相もまた深い淵の二重写しに……存在の不安を呼び覚ます、鬼才の恐怖譚。
為念.天野不巳彦は『トランプ殺人事件』 (『風刃迷宮』も) で活躍する精神科医のあの人.
アンブローズ・ビアスの失踪という文学史上最大の謎を題材に無気味なファンタジーを創造し、アメリカ探偵作家クラブ賞を受賞した表題作をはじめ、異色作家カーシュの奇想とねじれたユーモアが充ち満ちた傑作集。
大昔,表題作をハヤカワ・ミステリ・マガジンで読んだ記憶がある.切り絵のような挿絵が印象的だった.そんときのタイトルは『壜の中の謎の手記』,訳者は吉野美恵子,1976年6月号 (No. 242) だった らしい.こちらは,後年ハヤカワ文庫の『エドガー賞全集』第1巻に入ったとか.というわけで,こちらの角川文庫版は 2002 年の晶文社版がベースで,訳者が違う.
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