2014/03/31 の収穫:讀物篇
- ジョナサン・ハーヴェイ "インスピレーション", 音楽家の天啓, 吉田幸弘 訳, 春秋社, 2010, ISBN978-4-393-93190-5, (Jonathan Harvey "Music and Inspiration", 1999)
- スチュアート・カウフマン "自己組織化と進化の論理", 宇宙を貫く複雑系の法則, 米沢富美子 監訳, 森弘之, 五味壮平, 藤原進 訳, ちくま学芸文庫, 2008, 2012, ISBN978-4-480-09124-6, (Stuart Kauffman "At Home in the Universe: The Search for Laws of Self-Organization and Complexity", 1995)
インスピレーション
著者は "Mortuos Plango, Vivos Voco" の作曲者.
作曲家はどのようにしてインスピレーション(霊感)を得るか。音楽創造の源泉と神秘のありようをモンテヴェルディからシュトックハウゼンまで100人の作曲家の発言を引用しながら探る。「無意識」「経験」「聴衆」「理想」のキーワードを主軸に捉えがたい天啓の瞬間を多角的に照射。岡部真一郎氏による「ハーヴェイ論」も収録。
■ハーヴェイ氏の最新論文"Spiritual Music : 'positive' negative theology?"のオリジナル英文を下段「関連リンク」先よりお読み頂けます。目次
日本の読者へ
はしがき
序章
第1章 無意識が動く
霊感が求められるとき
霊感はその時を待っている
霊感に導かれて
第2章 経験の賜物
日常の出来事から
さまざま芸術体験から
作曲家の人生から
作曲のプロセス――霊感と技法
第3章 聴衆の射程
聴衆の歓び
理想の聴衆
誰のための作曲か
国家への眼差し
世界への発信
第4章 理想の境地
秩序
統一
憧れ
音楽の楽園
終章
原註
訳注
訳者あとがき
参考文献
索引関連リンク
自己組織化と進化の論理
進化から経済理論まで
すべての秩序は自然発生的に生まれる、この「自己組織化」に則り、進化や生命のネットワーク、さらに経済や民主主義にいたるまで解明。
地球上の生物の複雑多様な進化の謎は「自然淘汰」と「突然変異」のみで語れるのだろうか?答えは「否」!秩序ある生物世界に関しては、自然淘汰や突然変異も重要だが、これに加えて「自己組織化」が決定的な役割を担っている。すべての秩序は自然発生的に生まれる、と自己組織化理論は主張する。本書では、この理論に則って進化の様子を丹念に読み解いてゆく。さらにこの理論は、カンブリア紀の大爆発、生物のネットワーク、経済システムから、民主主義の生まれた所以にいたるまでを説明する。新しい視点からの理論的挑戦でわくわくできる一冊。
この本の目次
p>宇宙に浮かぶわが家で―自己組織化と自然淘汰が生物世界の秩序を生んだ
生命の起源―単純な確率論からいえば生命の誕生はありえなかった
生じるべくして生じたもの―非平衡系で自己触媒作用をもつ分子の集団
無償の秩序―自然に生じた自己組織化は進化する力ももっていた
個体発生の神秘―一個の卵から生物体ができる「法則」は何か
ノアの箱舟―生物の多様性は臨界点の境界への進化から生まれた
約束の地―分子の自己組織化を応用すれば新しい薬を作ることができる
高地への冒険―生物や生物集団はより適した地位へと進化していく
生物と人工物―技術や経済や社会もより適した地位をめざして進化する
舞台でのひととき―生物集団はたがいに影響し合って進化し、絶滅していく
優秀さを求めて―民主主義の正当性も自己組織化の論理で説明が可能
地球文明の出現―生態系・技術・経済・社会・宇宙を貫く自己組織化の論理
0 件のコメント:
コメントを投稿