七枚組 DVD 箱 Leaving Home の 第六巻 おまけに収められているのが Stockhausen の "Gruppen", 1958 年に初演された三群のオーケストラによる空間音楽の試み.この巻だけはおまけは静止画のスライド・ショーの付いたオーディオ・トラックではなくてライヴ映像.演奏はおよそ 22 分.日時は不明だが,おそらく 1996 年 3 月だと 思われる.
120 名の CBSO のメンバーを三等分にして配置し,John Carewe (orch-1, 青),ラトル (orch-2, 赤),ハーディング (orch-3, 緑) が振る.オケは客席を取り囲むように配置されていて,客席から見てラトルが中央奥,ハーディングが右, Carewe が左.オケのメンバーはそれぞれの色のシャツを着て客席にケツを向けており,三人の指揮者はコンタクトが取れるように中央を向いているので,結果的に客席を向くことになる.サックス軍団を含むオケの編成は膨大で,持ち替えが大変そう.ようけたくさんの打楽器,ピアノ (o2),チェレスタ (o3), o1 にも鍵盤が二台あるが判らん, EMG のハムバッキングをマウントしたエレクトリック・ギターまでいる (o2).
曲は,ぱよ〜〜ぺよ〜〜ぼよ〜〜きゃりこきゃりこぽへ〜からこりくれかれぐがんぐがんだぱととんがりごりぐりげらぱらららてぱととんみたいな感じ. 13 分過ぎ辺りからトランペットを皮切りに三群間で呼応し始める金管群,そのあとに続く打楽器群など,エネルギッシュに音が飛び交ってカッチョエエ.こういうのこそ, 2.1ch * 3 のマルチ・トラック音源にして欲しいですな. 2ch だと眼前に繰り広げられている感じで,取り囲まれる感じはないもんな〜.こういう曲だとスーパー・ウーファは一個で済むなんて呑気なことは言っとられんです.ところで,このライヴが 1996 年 3 月で間違いないとすると,このときのハーディングはまだ 20 歳ですよ.末恐ろしいですな.もっとも CBSO には 1994 年にデビューしてるそうだが.
これがケージだったら指揮者とオケの位置関係は逆になるね.指揮者には他のオケの音が聞こえんようにヘッドフォン掛けさせるかも知んない (笑).それとも,テンポを素数にして割り切れないようにするか.いやいや,そんな小細工はしませんね. 1958 年といえば例のピアノとオーケストラのためのコンサートが初演された年でもある.そこでの指揮者は単なる不均衡な時計代わりでしかない.もはや「合わせる」なんて小手先のワザは必要ないのです (笑).
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