「I'll be there for you, trust me, in this world and the next (ずっと一緒だ,現世でも来世でも)」 © 山中ユミに憑依した光源氏.
録画したのは 2 月 8 日か.ようやく観た. 80 分ちょいあるんで,ビミョ〜に片面に収まらない orz.なんと,前振りで「『源氏物語』と現代に起きた殺人事件が交錯するというサイコ・サスペンス」と,盛大にネタバレ (笑).元ネタは『葵の上』だそうである.メンバーの 3/4 がダブってるんで,どうしても『The Bee』を思い出すんだが,雰囲気はかなり違う.現代能楽集なのである.そっか〜, 三島[三島由紀夫も「葵上」をネタにして『葵上』を書いている.比べてみると,当たり前の話だが全然違う.] の次は野田秀樹なのか〜.面向不背の玉,どんな方向からも釈迦の立像を拝むことが出来る宝物だそうである.あの面はむしろスケキヨの面.台詞は全編日本語字幕付きの英語だが,葵が六条に放つ「あなたは,子宮から子どもを掻き出すくらいのことしか出来ない女なの」という侮蔑の台詞は,ここだけ日本語.強烈至極.このあと,叩きのめされた六条が般若となる (面を被る) シーンは迫力満点.実際はもう一箇所 (夕顔の死の場面) 般若になるのだが.
山中ユミは二人殺した罪で勾留されている.が,殺したのは四人だと言い張る.数が合わねぇなと思ったが,あとから佳く思い出してみると,確かに劇中であと二人,自分の子どもを殺している (堕胎している).なんかこの辺りは『小指の思い出』の粕羽聖子が思い出されてしょうがないんすけどね.
- 山中ユミ・桐壺更衣・夕顔・光源氏・六条御息所: Kathryne Hunter
- 警部・署長・頭中将: Glyn Pritchard
- 検察官・光源氏: Harry Gostelow (デカいっ!)
- 精神科医・葵:野田秀樹
- 囃子:田中傳左衛門
- 笛:福原友裕
- 作・演出:野田秀樹
- 共同脚本: Colin Teevan
- 作詞:田中傳左衛門
- 美術・衣装:キャサリン・チャップマン
- 照明:クリストフ・ワーグナー
- 音響:ポール・アルディッティ
- 演出助手:ラッガ・ダル・ヨハンセン
- 企画製作:世田谷パブリックシアター
- 2008 年 10 月 8 日,世田谷パブリックシアター・シアタートラム
讃岐の志度湾は『源氏物語』ではなく,むしろ,義経が平氏を追撃する話の舞台としての方が有名らしい.この後に平家は壇ノ浦で最期を迎えることになる.あ〜,讃岐の志度湾って,能の『海人』の舞台じゃないか,そういうことなのか.
んじゃ,タイトルの「The Diver」って海人のことっすか.う〜ん,判らん. 1) 藤原房前の母との対比強調? 2) 山中ユミの精神に潜れってこと? 終幕で精神科医は悲鳴を上げて凍り付いてましたけど.
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