「夜の眼は夜の声を放つ」 © 染井るいこ.
録画が動いてるのに気付いて途中から見てた.なので最初誰の芝居だか判らんかったが,ちょっと見てると匂いで判る.ってか,『ネモ』と同じ匂いじゃんか.とか思ってたら,ほんまに唐組だった (笑).比べてみたら,役者の配置パターンも同じだ.しっかし,これもほんまに猥雑な匂いがするな〜.一幕:夜の目,二幕:白い牙 の二幕構成.お話は,使い捨てコンタクト・レンズの営業マン牧村真吾が古本屋で手に入れたアサヒグラフ別冊『紙芝居集成』,そこに収められた題名不詳,作者作画不詳の一枚の未完成絵をめぐる冒険.あ〜,猫娘の紙芝居絵から逃走した猫眼=夜の眼=スネーク・ルビーの流離譚だろか.しかし,一段とノスタルジー色が濃いな.ラストで (脳内?) 復元された未完成絵の中に消えて行くのは,順に牧村真吾,情夜涙子,眉川,群青疾風に名雲ひとみ.残るのは染井るいこ唯一人.完全犯罪完成か.とにかく,フロントの四人 (稲荷卓央,丸山厚人,藤井由紀,赤松由美) がステキ過ぎ.
- 味夜 (ねんねこ社店長):鳥山昌克
- 究 (ねんねこ社):高木宏
- 山茶花レイコ (ねんねこ社):多田亜由美
- 牧村真吾 (使い捨てコンタクト・レンズのアキュビュー愛目アイアイ社の営業マン):稲荷卓央
- 情夜涙子 (伝説の英雄紙芝居屋):辻孝彦
- 染井るいこ (紅い弁当箱を持つ弁当屋):藤井由紀
- 群青疾風 (青梅駅前商店街の往年の映画看板描き,饒舌な群青色フェチ.夜の目を ひとみ に渡す):丸山厚人
- 市子 (るいこの弁当屋の先輩):野村千絵
- 眉川 (牧村の上司.妹つぶら はドール):久保井研
- 紅屋運ベエ (涙子の部屋の仏壇 (?) 奥の散歩者,筍部屋の居候・筍黄金城の主,黄金バット):唐十郎
- 警備員 P・ナゾー:新堀航
- 名雲ひとみ (夜の目を持つ肉体派捨て猫):赤松由美
- 少年院長・水色小学校三年生:気田睦
- 豹ばあさん:岡田悟一
- 作・演出:唐十郎
- 絵:高畠華宵
- 作曲:大貫誉
- 舞台美術:劇団唐組
- 2006 年 6 月,花園神社,紅テント
あ〜,テント公演っつっても,天幕くぐって入るんじゃなくて,ちゃんとドアがあるのね.あれ,これって『行商人ネモ』の一年前なんか.割と引っ切りなしに音楽が鳴ってる印象だが,『ネモ』もそうだったっけ.レベルの上げ下げが凄ぇ目立つんだけど.もちょっと何とかならんか.眉川が語る「インターネットの落書きでは一度,チューリヒの医師 A・ユーゲンフィックが 1888 年に人間の屍体の眼を取って石膏で固め,その表面にガラスを吹き付けてできた死眼だ」という台詞に出て来る人物,調べてみたら,アドルフ・オイゲン・フィック (Adolf Eugen Fick) のことなんじゃねぇかと思う.ユーゲンという表記は字面に引きずられたか.ふつうドイツ系の表記なら,ユーゲン・ヨッフムじゃなくてオイゲン・ヨッフムだもんな.でも,「A」はエィじゃなくてちゃんとアと発音してんだよな,謎.あと,彼だとするなら医師じゃなくて生物物理学者が正しいと思われる.解剖学もやってたらしいけど,医師じゃないよね (VL People [per69]).
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