ぐる式 (貳) より引っ越し作業中.未完.

2007年3月30日金曜日

ロマン・ポランスキ『マクベス』

Macbeth (1971 film) - Wikipedia, the free encyclopedia

その昔,当然ながら音楽担当でチェンバー・ロック開祖 (?) の Third Ear Band 目当てというヨコシマな理由で初めて見たポランスキ映画だが,中古 LD が行方不明になっとる (泣).なので WOWOW.

  • 夫人だったシャロン・テート殺しの二年後で直近の作品であるせいか,けっこう残酷描写が多い.血の量よりも屍体の量の方が多いかも.

  • 中世英国の剣劇とか甲冑とか,鉄兜の形やその下のだんだらりんとかがモンティ・パイソンの『聖杯』を彷彿とさせる.思想も行動も妖し気な Rosse が Eric Idle に見える (笑).

  • Duncan も Banquo も Fleance も寝るときは素っ裸.ちなみに夢遊病状態の Lady Macbeth も全裸だったりする.寝間着を着る習慣っていつ頃出来たんですかね.

  • インバネスにある Macbeth の居城で,国王である Duncan はちゃんとベッドに布団という扱いで寝てるが, Macbeth 同様に領主である Banquo と Fleance が寝てるのは藁を敷いた寝台に毛布,しかも大部屋.嫌がらせですか (笑).

  • インバネスのマクベス夫人よりムツェンスク郡のマクベス夫人の方が強靭というかしたたかというか,佳く言えば迷いがない.悪く言えば「人間じゃねぇ」.ヴィシネフスカヤ最強.

  • 性的暗喩が多いシェイクスピアではあるけれど,国王殺しに躊躇する夫を妻がインポ呼ばわりして詰る字幕にはびっくり (笑).

名文句

Macbeth: List of Scenes から.

Second Witch
By the pricking of my thumbs, Something wicked this way comes. Open, locks, Whoever knocks!

(第四幕第一場)

Macbeth
Life's but a walking shadow, a poor player That struts and frets his hour upon the stage And then is heard no more: it is a tale Told by an idiot, full of sound and fury, Signifying nothing.

(第五幕第五場) これは 押井守, 森山ゆうじ "とどのつまり…", In the End, 徳間書店, 1985, p.45, pp.172-176 へと繋がることになる.

音楽 (Music from Macbeth - Wikipedia, the free encyclopedia) の目玉の一つは開始地点から約 30 分後に Banquo の息子 Fleance (Keith Chegwin) が歌う例のクロス・リズムの三拍子の曲だが,これの歌詞はチョーサーの "Merciles Beautè" だそうだ (Poets' Corner - Geoffrey Chaucer - Selected Works).ちなみにチョーサーは 14 世紀の人であり,マクベスの舞台は 11 世紀のスコットランドだからこりゃアナクロニズムだと wikipedia でツッコミが入ってる.というのはともかく,なんか節回しとか妙にストレートで記憶しているのとは違うような気がする.サントラに入ってるのとは別テイクなのかな.

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