- Phantom: Requiem for the Phantom DVD type c
「ヘルムート・フォン・ギュゼッペ.ベルリン出身.大学で心理学,脳生理学の博士号を獲得,尋問と洗脳のエキスパートとして活躍する.その後,暗黒街に身を投じ各地を放浪,フリーランスの暗殺者斡旋人となる.暗黒街での異名はサイス=マスター.エレンの過去を知るためには,この男の経歴をたどる必要があった.サイスと彼女が出逢い,アインとしての人生が始まる五年前に.二人の出逢いは香港」 ©玲二 .
こちらも最終回.二段オチで佳い意味でびっくりエンドだった (笑).
七人組のアクション・コミック・バンド,サイス=マスターとツァーレンシュヴェスターンのデビュー・アルバム『玉砕』.あ〜,やっぱりサイスはマスク着用ですか (笑).バック・バンドには一言の台詞も与えられないのね.何か,アイン=エレン=江漣の顔付きが違うのは気のせいだろうか.ツァーレンシュヴェスターンを失ったサイス=マスターのノー・ガード戦法って,ロボット三原則を楯に取ってるんかと思ったよ (笑).まぁけっきょくのところ,アイン=エレン=江漣はサイス=マスターを撃ち殺す訳だが, 1) 自発的に故障して三原則の支配下から逃走した, 2) そもそも内部的にコマンダーがすげ替えられている.サイス=マスターはすでに命令を与えることができない.う〜ん,まだ他にあるか.「先に地獄へ行っていて.わたしはもう少しあの人といっしょに」.これって,「あの人」がツヴァイ=レイジ=玲二で,呼びかけらているのがサイス=マスター & ツァーレンシュヴェスターンと取るのが自然だよな.あ,そうそう,最終的にサイス=マスターを撃つときはアイン・モードにならない.
日本篇に入ってようやくマグワイヤさん登場.おそらくサイス=マスターとツァーレンシュヴェスターンの「玉砕」の報告を聞いて,ファントム・システムの棄却を宣言「なすべきことがある」,だよな.美緒は前回の台詞を踏まえて「行ってらっしゃい」.まぁここまでは想定内.
んで六ヶ月後である.サイス=マスターが香港で見付けたアインはウランバートルから来たモンゴロイドである.ただし「肌が真っ白」ということなので,コーカソイドなのかも.で,二人組はモンゴルへ.ウランバートルを経て,内陸の寒村かどっか.モンゴルのバスって昇降口が車体の右側に付いてるんか.
- バスを降りて,道端に佇む二人.
- エレンは前進,玲二はそのままの位置でエレンを見守る.
- 玲二,右方向に歩き出す.
ED が始まる.夕方になっている.二人は西陽の方を向いている. - 玲二の背後を,干し草を摘んだ荷馬車が通る.
- いきなりサイレンサー越しの銃声.え? と思ってるうちに,頽れる玲二.
- 左後方およそ 120 度を振り返るエレンの微笑み.んで fo.
いやぁ,こういう終わりだとは予想外だった (笑).なんか『人狼』のラスト・シーンを思い出した.「吾妻玲二が死んだのはここだよ」.クロウディアさんたちだとすると,アインの素性をあらかじめ知っていたことになるので,ちょいと苦しい気もする.だが,ファントムとして戴くのならば,頑張って素性を洗ったとも考えれないこともない.
モンゴルと言えばガイドブック. 第十二話 (のみ) と 第四話 で何度が出て来てたアレ.そういや,このガイドブックを隠れ家に置いてたのはいったい誰なのか.あんときにもっと佳く考えとくべきだったな orz.選択肢としては 3 つだろうか. 1) アイン=エレン=江漣自身, 2) クロウディアさん (あるいは,確率的にはずっと低いだろうけどインフェルノ関係者), 3) サイス=マスター.いやぁ,やっぱこの人物が直接または間接的に玲二を撃ったと考えるべきだと思うんだけどな.先の 3) と 4) の間には明らかに時間の経過があるのでもしかしたら位置関係変わってるか知らんが,もしそのままだったするなら,二人の位置関係は以下のようになる. 6) の視線の先に何があったのかが非常に気になる.あと,スミレのモティーフも.
う〜ん,ここでは,間接的に江漣が玲二を始末した説を採っとく.サイス=マスターを排し,もはや「何も必要ない」段階に至って,かつて亡霊あるいは人形と呼ばれていたイールのヴィーナスは,名前と愛情を与えられて人として自立した,とか,そんな感じ.江漣単体ではなくて,江漣族でもエエか知れん.江漣が香港にいた理由が判ればエエんだがな.この説を採る限り,「ここから先は必要ない.何も見付からなくても,わたしはあなたにもらった名前がある.あなたと過ごした記憶がある.ただそれだけで充分にわたしは生きていける」という江漣の最後の台詞,必要ないのは,もちろん,これ以上の探索ではなくて,ガーディアン,ということになるだろう.
香港〜モンゴルの件をいちばん佳く知っていたのは,おそらくサイス=マスターなんだろうけど,彼の仕掛けだったとした場合,何のためにやったのかが佳く判んないんだよな.そうだとすると,江漣はまだ二本足で立つことはできないので,玲二を排除することで江漣は野良の境遇から永遠に出られない,とサイス=マスターは読んでいた,ということなんだろか.犯人はすでに死んでいて,計画だけが実行されたっつ〜ことかねぇ.大穴がインフェルノ関係者.理由は後始末というか,リスク回避みたいな感じ.ただ,能力的にどうよという気が (笑).
今回だけ出て来るエンド・カードの奇怪な右手首も,気になるっちゃ〜気になるが.
どうでもエエ上に今更なんだけど,江漣の「漣」って,「必殺仕業人」の主題歌『さざなみ』 (漣) とは関係ないよね…… (笑).