「著作権法の一部を改正する法律案 (閣第九一号)」.
著作権制度をめぐる内外の情勢の変化に対応し、著作権等の適切な保護に資するため、専ら国外において頒布することを目的とする商業用レコードを情を知って国内において頒布する目的をもって輸入する行為等を著作権等の侵害行為とみなすこととする
[著作権法の一部を改正する法律案 より ]
一般人がこれを読むと,邦楽の海外盤を輸入して国内で売るのは著作権侵害にあたる,と読める.例えばだな,国産作品の海外盤 DVD*1 とかを輸入して売るのはご法度ということだ.要するに,著作権の侵害にあたるから,汝お前ら臣民は高価い金出して国内盤買えと,こう仰っているのであるよ,お上は.輸入盤攻勢に音を上げたメイカーが恥も外聞もなく泣きついたか.ところが,事態はこれだけに留まらない.とんでもない「副作用」が懸念されている.「洋楽 CD の輸入盤は違法」だ.これには「国内盤が出ている外盤」という条件が付くけど,こんなもんすぐにスルーになる.例えばだな, Arte Nova が出している Skrowaczewski の Bruckner 交響曲全集は 12 枚組で渋谷 HMV では \4,890 だった.これが国内盤が出てないうちはこのままだけど,ちょっと売れ出すとどっかのメイカーが唾付けて \38,400 (\3,200 × 12) という値段で売り出したとすると,「これしか買えなくなる」という状況を阻止することができないということだ.グローバルでも何でもないじゃんか.これが通ったとすると,
- 日本盤が出ている洋楽の輸入盤(外国で合法的に発売されたCD)が買えなくなるかもしれない。
- 日本盤がCCCDで、輸入盤がふつうのCDの場合でも、やっぱり日本盤しか買えなくなるかもしれない。
- 国内盤が出ないCDは規制の対象外だけど、小売店には並びにくくなるかもしれない。
- 販売目的ではない、個人的に楽しむための輸入は禁止されない。
しかし、日本盤が出ているものだったら、向こうのレコード会社が日本への輸出を禁止して、日本盤しか買えないようにすることができるらしい。
[海外盤CD輸入禁止に反対する/cite> より ]
コロス.
*1: 上記「案」では「商業用レコード」なる「そりゃまた何を指しているのですか?」的用語が用いられている.これがいわゆる音楽メディアだけを指すと思うのは甘過ぎ.
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