ぐる式 (貳) より引っ越し作業中.未完.

2006年5月23日火曜日

涼宮ハルヒの憂鬱 #08 孤島症候群 (後編)

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「誰が来ても開けるなと言われている」 © 長門有希.

ハルヒと古泉の推理は SSVD のケンネルの応用.その後は一時期雨後の何とかのように出て来た,いわゆる「新本格」もどきのうちでもライト系に則った解法説明.まぁ,最後のキョンと古泉の会話ですべてを木っ端微塵にしてしまったのが珍しいとは言えるが (笑).というわけで,これ以上お付き合いしても時間の無駄のようなんで,これにて撤収する.

立ったままテーブルに身をかがめ,両手を海図にべったりと突いて,私はときに何時間も麻酔にかかったように動かず,てのひらがしびれてくるのもかまわずにじっとしていた.この海図からかすかなざわめきが立ち登り,閉め切った部屋の,息をひそめた沈黙を満たして行くような気がする.ときどきどこかで材木の軋る音がして,私は思わず目をあげ,まるで夜ごと自分の財宝をこっそりと眺めに行って闇の中で宝石のうごめきやほのびかりを手にまさぐる守銭奴のように,おずおずと闇の中を見まわす.まるでいま,僧院の静けさの中で,何か神秘的な啓示を一心に待ち受けていたところだとでもいうように.頭がぼんやりとしたまま,私は自分のまわりで闇が室内に忍びこんでくるのを感じ,そのために部屋全体が,眠りに落ちて行く頭のような,あるいは沈んで行く船のような,ぐったりした重みを増して行くのを感じる.私も部屋といっしょに,立ったまま沈み込んで行く.深い海の沈黙に首までつかった漂流物のように.

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