- ジュリアン・グラック "シルトの岸辺", 安藤元雄 訳, ちくま文庫, 2003, ISBN4-480-03877-9, (Julien Gracq "Le Rivage des Syrtes", 1951)
壊れて行く話に必然という要素が付け加わると神話的相貌を帯びますな.自由意志に基づくと思い込んでいた行動のすべてが,単なるジグソー・パズルのピースに過ぎなかったという釈迦の掌での舞い踊り.文庫本にしてほぼ 500 ページ弱,最終章でダニエロが語る「宿命の政治学」は置いといて,最後の瓦解というか崩壊というか,社会学的沸点へ向けてひたすらクレシェンドしていく,神経がギリギリするような小説.
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