- 大江戸ロケット ED CDS
「ここにお前 (銀次郎) の素性が書かれている.黒衣衆頭」 © 鳥居耀蔵甲斐守忠耀.
サブ・タイトルどおり基本的に銀次郎メインの話である.銀ノ狐は音読みすれば「ギンコ」となるが,たぶん無関係 (笑).
avant, 仇花亭天鳳と天天は干上がった手妻使いではなくて,北町奉行遠山景元金四郎の隠密で玉屋清吉たちを陰ながら支えつつもソラの素性を洗っている.遠山景元,伊達に「遠山の金さん」と呼ばれているわけではなく,この時代にしては珍しくブログ持ちのお奉行ということで庶民性をアピール.反鳥居派,反水野派を掌握する.ちなみに水野忠邦が老中首座を勤めた期間の最後の年,天保十四年 (1843),金さんは南町奉行鳥居耀蔵の策略によって罷免され大目付に異動した.逆に二年後には金さんの讒言によって鳥居は失脚,代わりに南町奉行を襲ったのが金さんである.というわけで,金さんが北町奉行職にあったのは天保十一年 (1840) の三月〜十四年 (1843) 二月の間であり,この物語もこの間の出来事ということになる (オリジナルの時代設定は天保十三年 (1842) 七月).なるほど〜.もちろん,この間に葛飾に隕石が落下したという記録はないようだが,直近では天保八年 (1837) 七月,新潟県西蒲原郡吉田町に落ちた米納津隕石の実物が残っているらしい (日本の隕石リスト (国立科学博物館)).
金さん,青の獣とソラの本来の姿である白の獣に関して「ソラの獣」と言及.空から落ちて来たからか.神君家康公に仕えた南光坊天海大僧正 (慈眼大師) は実在するが「天海結び」は不明.たぶんフィクションだろうが,黒衣衆は家康が創設した忍目付衆のこと.不思議なというか不可解なというか不条理なというか,なんかヒトを超えた能力を持つものを登用していたらしい.ふだんは町民に身をやつして市井に潜むが一朝事あらば闇からそれを支えるが役目.が,二四〇年間闇に潜み続けたがゆえに日常性に埋没,当人たちも己の使命を忘れてしまっていた云々.鳥居甲斐守の目的は "le grand retour",黒衣衆を復活させ「ソラの獣」を排除して治安維持を得る.その後はむろん私設軍隊として利用するのであろう.ちなみに,「ソラの獣」は生き血を啜るとのことで,内臓を喰らったりはせんらしい.
なんか青の獣は続々登場するようなんですが,なんすか船団組んで侵略しているですか.白の獣の方は今んとこソラしか出て来ないようだけど,こちらは一匹だけなんだろうか.青と白が闘うのはどういう理由から? 青の地球侵略を白が防いでいるわけ? なぜ? 青の青田刈りを阻止して,実りを待っている?
銀次郎の素性は黒衣衆 (の頭の資格を持つもの) であるが,その過去は.白濱屋女主人のお伊勢とは,かつて浪速を騒がせた大泥棒夜桜 & 銀狐[この期に及んで「Silver Fox」という単語にお目に掛かろうとは! 何かの亡霊か! というのが一点.二点目は,夜桜銀次といえばヤクザ映画では伝説的な鉄砲玉で有名だが,何か関係は…… なさそうだな (笑).]のコンビを組んでいた仲.義賊気取りで大塩の屋敷に盗みに入ったところを捕らえられた結果,請われてその配下に加わることになる.銀次郎の方は大塩の思想に共鳴して.ただし夜桜お伊勢の方はあまり深入りしたくないもよう.大塩の乱にも加担していた.平八郎は乱を鎮圧されたあと隠れ家で爆死自決するが,これも史実である.また,白濱屋の蔵で黒衣衆の耳と銀次郎との会話で出て来る「妖怪」という単語は,実際に民衆の間で鳥居耀蔵甲斐守の名前をもじって耀甲斐=妖怪と呼ばれていた史実に基づくもの.不人気だったんですねぇ.なんだかんだあって,銀次郎,黒衣衆頭就任を決意.またぞろ現われた青の獣に立ち向かう.はてさて,銀次郎は黒衣衆暗躍の目的をどう見ているか. 1) 退治するのは青の獣であり白の獣は管轄外だと勘違いしている. 2) 青も白も退治する対象だが,ソラが白の獣であることを知らない. 3) いずれも承知しているが,それにも関わらず「おれは別の道を行く」.つまりソラを殺すことも辞さない.
いや〜,さすが劇作家だけあって,史実とフィクションをうまいこと組み合わせているな〜. みやび さん同様,赤井西之介の木馬責めについてはスルーするつもりだったが,ふとスケベ心を出してちょいと調べてみたら拷問道具としての三角木馬は戦国時代からすでに存在していたようである (笑).ただ,さすがに被拷問者を全裸あるいは下半身裸にするというのは無理でしたか.
榎戸洋司,長谷川眞也,錦織博, J. C. Staff の組み合わせで『小指の思い出』やってくれんかな〜 (笑).
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