「(切羽詰まった様子の幹に「あなたの音色はぼくが護るから」と言われて,あっさりと) どうも,ど〜も〜」, 「(決闘中に至っては) そこだ,ウテナさま,やっちゃえ〜」 © 姫宮アンシー.いや〜,誘惑に乗ったのが確認されたあとなので,まるでお子ちゃま同然で全く相手にされてないです,幹くん (笑).
前回が前奏曲で今回はいきなりに終曲.まぁ,しょせん幹は言うべきことがない「中抜き」の一人相撲でしかなかったっつ〜こってすかね.そういや幹自身がスタイルは出来たが中に入れるもんがない的な発言をしていた.今見てみると,どう見ても幹は後ろ向きで,双児妹の梢の方が先を行っている印象.性的な意味でも,「ねぇ,またわたしとしてみたい?」.「また」やるのが一台四手の演奏なのかどうかはともかく[梢と幹の微妙な関係.連弾ではない方は劇場版に出て来る.] (笑).幹は未だ鳥籠の中.梢はそこから出たようだが視線は鳥籠 (の中の幹) の方を向いたままなので,三歩先というわけでもない.
音楽室の五線譜黒板には『光さす庭』のピアノ譜.ただし五段ある[
画面表示は冬芽が先なので右→左という順番になる.幹の後頭部の背後に書かれた出だしから,ようやく『光さす庭』の譜であることが判る.譜面アップ時のト音記号は板書されたものとは異なる.].上二段は全休符で,その下二段以下に音符.こりゃ当然ながら上が梢のパートで,下が幹なんだろうと思ったが,幼時の回想シーンでは連弾の高域パートが幹で,梢が第二奏者になっている.逆だ.ラスト,梢がピアノを弾いているパートで出る手書きの譜面[
荒れた画面だな〜.だけど前回合成した 譜面 と同じ手書き譜であるぐらいは判る.で,それが連弾用の譜面であったことが今回判る.ルバートの指示はあるがテンポの指定はない.少なくとも最初の七小節は第一奏者のパートは全休符なので第二奏者のソロであることがはっきりと読み取れる.二段目後半の第一奏者の左手パートは未記入のように見えるが simile の指示がある.なお,幹とアンシー二人ともソロで弾くときは第一奏者を右手で,第二奏者を左手でまかなっているもよう.]が完全版らしい.これ連弾じゃなくて二重奏じゃないかという気もするが,音域的にはぶつかってないっぽいので連弾も可能か.テーマは第二奏者が先に弾き出す.合わせるも何も,最初の方は第二奏者のソロだ.当時の梢が,今の梢が述懐しているように本当にヘタクソだったのかどうかは判らない.連弾譜は見たことないんで,大譜表を重ねる形になるのかどうか判らんのだが,モーツァルトの KV.501 を見てみると奏者別にページが別れていた (笑).第一奏者の左手と第二奏者の右手が交叉することを厭わなければ,まぁ書けないこともないようではある.
- 紺薔薇背負って幹の双子の妹の薫梢が登場.ただし薔薇は右上に一輪だけがくるくるくる.幹よりも濃いが紫というほどでもない.
- この二編のタイトル曲『光さす庭』は幹と梢の共作.小さいときに作ったと作曲者の片割れは言っているが,ウテナの「有名な曲だよね」っつ〜のの有名になった経緯は不明.
- 梢本人の述懐によると梢はピアノの才能はまるでなかったとのことだが,幹本人は「どれほど技術を磨いても妹が弾くピアノのあの音色はどうしても出せなかった」ということで,なんか希有な音色を持っていたらしい.
- 決闘開始時,アンシーの胸からにょっきり生えるディオスの剣を,そのときのエンゲージ者が引き抜くときの掛け声「世界を革命する力を!」,第二話時点でウテナも発していた.何度聞いても「革命する」という動詞に違和感を持ってしまうというのはど〜でもエエが,それよりも何よりも,ウテナは「世界を革命する力」なんぞ欲していなかったんじゃないか?
- 鳥籠二態.アンシーの温室鳥籠[
アンシーの温室鳥籠.鐘というか梵鐘のように見えないでもない..と思ったとたんに,チュードアといっしょに来日した折り,京都のお寺で鐘の中に頭突っ込んで音を聴いてたケージの写真を思い出す.]は既出だが,幹 & 梢の過去鳥籠[
幹 & 梢の過去鳥籠.鳥籠をピアノに置き換えれば,左の椅子の位置から連弾するときの座る位置と同一であることが判る.]. - 大っぴらな性的暗示はもしかして今回が初めてだろうか.作監は『月詠 -Moon Phase-』の相澤昌弘大人.
音楽は今までいちばん『忘却の旋律』に近い雰囲気.『コンビナート・オスティナート』みたいな機械音のオスティナートっぽいヤツにフレットレスのベースがまとわりつくヤツとか,音程を持つメタル・マレット系のパーカスのヤツとか.こういう音色だとどうも Steve Reich の昔の作品に連想が飛ぶから,これもやっぱり,う〜ん, (古典的) ミニマル (笑).
決闘リスト
間に二話置いて三話振りにデュエル.
- #01 西園寺 ● (1 敗) vs. ウテナ ◯ (1 勝) (『W の予言 (when where who which)』)
- #02 西園寺 ● (2 敗) vs. ウテナ ◯ (2 勝) (『肉体の中の古生代』)
- #05 幹 ● (1 敗) vs. ウテナ ◯ (3 勝) (『スピラ・ミラビリス劇場』)
今回の幹とのデュエルでディオスの剣をフェンシング・スタイルで構えるウテナ↑は,1999 年にリリースされた北米版 DVD の第一巻 Rose Collection I のカバー・アート[北米版 DVD の第一巻 Rose Collection I, Central Park Media - Revolutionary Girl Utena: The Rose Collection 1 (DVD-ROM) (sub/dub).リージョンは 0.ジャケ絵は SSDVD_6041a.jpg (JPEG Image, 1068x1500 pixels).]に採用されている.ただ,細部は微妙に異なる.
くるくる薔薇と髪の色の対応
第二話 でピックアップした髪の色に加えて背負って来る薔薇も抜き出してみた.
初出話数 | 名前 | 髪 | 薔薇 | 数 | 合致 |
---|---|---|---|---|---|
#01 イントロ | (両親と死別した幼いお姫さま) | ピンク | 赤 | 4 | × |
#01 イントロ | (白馬に乗った旅の王子さまとの離別と指輪) | 白に近い紫 | 白 | 4 | × |
#01 イントロ | (男装のお姫さま) | ピンク | ピンク | 4 | ◯ |
OP | 鳳暁生 | 白 | |||
#01 | 天上ウテナ | ピンク | ピンク | 4 | ◯ |
#01 | 姫宮アンシー | 紫 | ピンク | 4 | × |
#01 | 桐生冬芽 | 赤 | 白 | 4 | × |
#01 | 西園寺莢一 | 緑 | 緑 | 4 | ◯ |
#01 | 薫幹 | 薄い青 | 薄い青 | 4 | ◯ |
#01 | 有栖川樹璃 | 橙 | 橙 | 4 | ◯ |
#02 | チュチュ (薔薇の代わりにバナナ) | 黄 | 4 | ||
#03 | 桐生七実 | 黄 | 黄 | 4 | ◯ |
#04 | デンデン虫,青大将,生タコ (デンデン虫だけ二回) | 黄 (七実) | 黄 | 4 | ◯ |
#05 | 薫梢 | 紺 | 紺 | 1 | ◯ |
その他 | |||||
サブ・タイトル | 赤 | 4 | |||
次回予告 | ピンク | 4 | |||
デュエル関連 | |||||
#02 | 降りて来たディオス | 白 | 白 | 1 | ◯ |
#02 | ウテナ vs. 西園寺第二戦の決定的瞬間→ディオス | 白 | 1 | ||
#05 | ウテナ vs. 幹戦の決定的瞬間→梢 | 紺 | 1 | ||
ウテナ関連 | |||||
#01 | 挑戦者としてのウテナ | ピンク | 白 | 1 | × |
#02 | 薔薇の花嫁保持者としてのウテナ | ピンク | 白 | 1 | × |
#03 | ウテナが着るドレスに付いて来た薔薇 (あとで髪に挿す) | ピンク | 赤 | 1 | × |
#03 | 女装のウテナとアンシー | ピンク | ピンク | 4 | ◯ |
アンシー関連 | |||||
#03 | 女装のウテナとアンシー | 紫 | ピンク | 4 | × |
#05 | 冬芽の薔薇の花嫁解説対象としてのアンシー | 紫 | 赤 | 4 | × |
#05 | 幹の獲得対象としてのアンシー | 紫 | ピンク | 4 | × |
第五話までの段階で,背負って来る薔薇と髪の色が明らさまに違うのは冬芽とアンシーの二人.ただ,回数が少ないのではっきりしないが,冬芽の方は意図的という匂いがする.しかも薔薇の方が,不在の王子さま=指輪,ディオスと同じ白を背負って出て来たというのが意味深.そしてこれは暁生の髪の色でもあり,デュエルの際にウテナが胸に付ける薔薇の色でもある.アンシーの方はアンシーを見ているものの投影といったものが感じられるような気もするが,初登場時,および舞踏会用に正装した格好のツー・ショット (薔薇額縁内に複数人が入るのは,今のところここだけ) のいずれもピンク薔薇を背負ってるのには注意しといた方が佳いかも.この色はもちろんウテナの色である.やはりこの二人はヤヌスになるのか.αでありωでもある二柱神.
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