「休んでる暇ないんだ.書かなくては.書かなくてはね」 © 林芙美子.
こまつ座:過去公演情報:太鼓たたいて笛ふいて (2004).
林芙美子一代記っつ〜か,戦前〜戦中〜戦後の評伝記劇 (音楽付).『放浪記』の名前しか知らなくて読んだことなかったんで,出身が尾道,没年が 1951 年,戦中は従軍作家で大陸を転々としてたなんて,まったく知りませんでしたよ.もっと古い人かと思ってた orz.「花の命は短くて苦しきことのみ多かりき」ってのは『浮雲』なんだそうな.って,二葉亭四迷 (笑).話は 昭和十(一九三五)年秋から、昭和二十六(一九五一)年夏までの十七年間。
となってるので,『放浪記』が刊行されてから五年後以降.ヒトが闘うこと,闘ったことの責任,どうやって闘うことをやめるか,戦争責任,戦後責任.っつ〜か,従軍文士となってタイトルどおり太鼓たたいて笛ふいて戦争を賛美した自身に対する林芙美子流のケジメの付け方.これに対して島崎こま子として一貫してブレてない立場を置き,もう一方に自身で設定した「物語」に右往左往させられる三木孝と加賀四郎という対立軸.でも,いちばん強いのが母キクと土沢時男という超絶的立場.いやぁ〜,めっさ面白かった.
- 林芙美子 [32]:大竹しのぶ
- 林キク [67] (芙美子の母,四郎と時男の師匠):梅沢昌代
- 島崎こま子 [42] (活動家,島崎藤村の姪,『新生』の岸本節子のモデル〜書家兼務):神野三鈴
- 加賀四郎 [23] (行商人〜関東軍憲兵隊上等兵〜警視庁特高課刑事〜新宿署刑事):松本きょうじ
- 土沢時男 [22] (行商人〜遠野で作男〜青笹小町に婿入り〜従軍してレイテ海戦で戦死〜というのは誤報で復員してみたらイノック・アーデン):阿南健治
- 三木孝 [34] (ポリドールの音楽プロデューサ〜 NHK 音楽風紀委員〜内閣情報局音楽担当官〜放送局員):木場勝己
- ピアニスト [年齢不詳]:朴勝哲
- 作:井上ひさし
- 演出:栗山民也
- 音楽:宇野誠一郎
- 美術:石井強司
- 照明:服部基
- 音響:斎藤美佐男
- 衣装:宮本宜子
- 宣伝美術:和田誠
- 舞台監督:増田裕幸
- 声の出演:辻萬長
- 2004 年 4 月,紀伊國屋サザンシアター
大竹しのぶ,凄過ぎ.歌のアンサンブルは,例によって出だしはヨレてるけど,そのうち気にならなくなる.慣れた? (笑) っつ〜か,今回は音楽の存在感が大きい.ステージに立つのは六人の役者だが,ピアノは幕の裏ではなく,いわゆるピットに位置にいる.弾いてるのはヤハマのアップライト.画面は 4:3 で上下左右に黒枠があるんで,サイドカットで再エンコ.
上記の [¥d] は指定された年齢で,いずれも、劇が始まったときのものである。また、俳優は自分の扮する人物の年齢に忠実である必要は、ほとんどない。
(※)
今月は WOWOW で『ムサシ』の初演が流れるせいか,他にも『道元の冒険』と『表裏源内蛙合戦』も.ちなみに全部蜷川演出.
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