Das Lied der Bildsäule
DVD 第 1 巻の冒頭,特別編だと OP 直前でコゼットが以下のような詩を朗読する.そこに出て来る「石」という語はずっと「意志」だと思ってたんだが,それは間違いだった orz.
愛おしい自分の命を振り捨てるほどに 私を愛してくれるのは誰? 私のために海で溺れ,死ぬ人があれば そのとき私は石から解き放たれ また生命へ,生命へと還ってゆく
でも,一番大切なものを与えてくれる命の中に もしいつの日か私が甦ったとしたら
そのとき私はひとりきりで泣くでしょう 私の石を求めて泣くでしょう 私の血がブドウ酒のように熟れても何の役に立つの? それは,私を一番愛してくれた人を 水底より呼び戻すことはできないのだから
で,これが参考文献で揚げられている富士川英郎訳のリルケ詩集から採られているんだろうと思って探してみたが,やはりリルケの詩で間違いないらしい.タイトルは "Das Lied der Bildsäule" (The Song of the Statue),邦題は『立像の歌』,「形象詩集」 (Das Buch der Bilder) 第 1 巻に収められているとか.石丸静雄 訳 も見付かった.
原詩は以下のとおり.
Das Lied der Bildsäule
Wer ist es, wer mich so liebt, daß er sein liebes Leben verstößt? Wenn einer für mich ertrinkt im Meer, so bin ich vom Steine zur Wiederkehr ins Leben, ins Leben erläst.
Ich sehne mich so nach dem rauschenden Blut; der Stein ist so still. Ich träume vom Leben: das Leben ist gut. Hat keiner den Mut, durch den ich erwachen will?
Und werd ich einmal im Leben sein, das mir alles Goldenste giebt, – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – so werd ich allein weinen, weinen nach meinem Stein. Was hilft mir mein Blut, wenn es reift wie der Wein? Es kann aus dem Meer nicht den Einen schrein, der mich am meisten geliebt.
ちなみに,朗読では原詩の第 2 パラグラフはカットされている.
更に追記:2009.07.09
同じ男性名詞第 3 格なのに,第 3 パラグラフで meinem Stein とあるのに対し,第 1 パラグラフで vom Steine と語尾に e が付いてるのは,後者が複数形ということですか? そうだとしたら,なぜここだけ複数?
更に追記:2009.07.12
コメント 参照. vom Steine の Steine は,複数形ではなく単数形.おそらく,熟語化した表現では m, n の 3 格で語尾に e を付与するケースがあるという慣用表現によるもの.この場合,古ドイツ語では語尾に e を付加していた (※).このケースは 2 格語尾に es を付けるものに限られるのかも知れない (※). 強変化に やや時間を - LuciaPoppファン の ホームページ - 楽天ブログ(Blog).
Edward Snow による英訳
The Song of the Statue
Who is there who so loves me, that he will throw away his own dear life? If someone will die for me in the ocean, I will be brought back from stone into life, into life redeemed.
How I long for blood's rushing; stone is so still. I dream of life: life is good. Has no one the courge through which I might awaken?
And if I once more find myself in life, given everything most golden,- --------------------------------- then I will weep alone, weep for my stone. What help will my blood be, where it ripens like wine? It cannot scream out of the ocean he who loved me most.
Translated by Edward Snow The book of images Published in Canada by HarperCollinsCanadaLtd First published in 1991 by North Point Press This revised edition published in 1994
Cossette d’Auvergne: 球体関節人形
コゼット・ド-ヴェルニュの球体関節人形を制作した 三浦悦子 氏は DOLL SPACE PYGMALION の卒業生なんだそうである.そ〜か〜,あの 吉田式 の 吉田良 氏のお弟子さんに当たるわけか〜.
なんだが,そのコゼットの画像がなかなか見付からない.
- コゼットの肖像
- 東京国際アニメフェア 2004が開催 の下の方の写真.
ある程度の大きさのものは上記ぐらいしかない? 二番目の東京国際アニメフェア 2004 のレポート写真をみると,けっこうサイズが大きい,立たせると 1m 以上あるように思えるんだが,実際どうなんすかね.というわけで,特別編と,その制作ノートから切り出してみたんだが.
画像がキチャなくてスマン.けっく,サイズはやっぱり判らん (笑).元データが汚いんで縮小せざるを得んかった orz.
> 第 3 パラグラフで meinem Stein とあるのに対し,> 第 1 パラグラフで vom Steine と語尾に e が付いてるのは,後者が複数形ということですか?第 1 パラグラフは、強変化させているために、vom Steine となっているのだと思います。複数形なら、von den Steinen となるかと。それでは、なにゆえに、第3パラグラフは強変化していないのでしょうか。ごめんなさい。 わかりません。
返信削除ども,ご無沙汰してます.ドイツ語文法なんて,もう綺麗さっぱり忘れてますが (笑).強変化っつったら,弱変化ではなく通常の格変化のことですよね.なら,Stein/Stein[e]s/Stein/Steinとなると思うんですが,間違ってますか? 複数形だとSteine/Steine/Steinen/Steineですよね?最近見付けたんですが,eが付くのは3格の慣用表現ではないでしょうか.http://homepage.mac.com/nekonimatatabi/grammatik2.htmlここに「昔は2格語尾で-esをつけるものには、3格で格語尾として-eをつけていたのです。」という記述がありました.これなら条件に合致します.この説明だとしっくり来るんですが,如何でしょうか.
返信削除御書きの通り、現在のドイツ語においての慣用表現(古ドイツ語の名残)だと思います。ウィキペディアの「ドイツ語の文法」という項の「格変化」に、下記の記述がありました。“ちなみに、男性名詞・中性名詞の与格には古いドイツ語では -e の語尾が与えられていた。そのため現代ドイツ語でも熟語化した表現にはこの語尾が現れることがある。例えば nach Hause や zu Hause など。”ドイツ語文法を忘れているという点では、小生も同様でありまして、以下は、付け焼刃そのものなのですが。「強変化」と先に記したのは、名詞についてのことです。前世紀、ドイツ語を習い始めた際、男性名詞には、強変化名詞と弱変化名詞があるという講義を受けました。Steinは強変化名詞で、辞書には、m. -[e]s, -e.とあります。たとえば、Menschは、弱変化名詞で、辞書には、m. -en, -en. と書かれています。前者での“[e]”が、古ドイツ語の名残ですね。御書きのder Stein / des Stein[e]s / dem Stein / den Steinに即して。小生が使っていた文法表では(未だに持っております)、der Stein / des Stein[e]s / dem Stein[e] / den Steinとなっています。おかげさまで、ドイツ語文法を勉強する機会を、四半世紀ぶりほどに与えて頂きました(笑)。
返信削除強変化のm3格がStein[e]が正しいのはシンチンゲルの巻末で確かめました.見出し語んとこには単数2格/複数1格(m -[e]s/-e)という記述形態なんで,単数134格は全部同じかと勘違いしてました.ぜんぜんダメじゃん.忘れ過ぎ (笑).もちろんここでの強変化は名詞の格変化の話ですが,弱変化の方がごく少数派で大半は強変化するんじゃなかったでしたっけ?というわけで,第1パラグラフのvom Steineは慣用表現というか古ドイツ語の名残ということであろうと思われますが,ならなぜ第3パラグラフはmeinem Steinなのか.これはもちろん韻を踏むためだと思います.ここらはアインの畳み掛けですもんね.でも正直,同じ3格でSteineとSteinで表記が揺れてるのはどうよという気もしますが.で,ここで語尾がeで終わってる語は,タイトルも含めると,Bildsäule, Steine, sehne, träume, Goldenste, wieの6語で,なんかこれだけでも俳句というか詩になってるような気もします (笑).
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