ぐる式 (貳) より引っ越し作業中.未完.

2009年7月21日火曜日

リミニ・プロトコル『カール・マルクス:資本論、第一巻』東京オリジナル・バ ージョン 2009

「どんな株式投機の場合でも,いつかは雷が落ちるに違いないということは誰でも知ってるのであるが,しかし誰もが望んでいるのは自分が黄金の雨を受け止めて安全な所に運んでから雷が隣人の頭に落ちるということである.『われなき後に洪水は来たれ』これが全ての資本家,全ての資本家国の兵庫なのである.だから資本は労働者の健康や寿命には社会によって顧慮を強制されない限り顧慮を払わないのである」 © マルクス:朗読 佐々木隆治.

カール・マルクス:資本論、第一巻 - プログラム | フェスティバル/トーキョー FESTIVAL/TOKYO舞台中継 カール・マルクス:資本論、第一巻

ドキュメンタリー演劇って,マイケル・ムーアの芝居版? 舞台,奥行き狭っ.背景はモニタやビデオ・カメラが埋め込まれた二階建ての本棚.そこに梯子.ポータブル・アナログ・プレイヤー.赤い床.舞台に登場する 12 人のうち,プロでもアマでもどちらでもエエが「俳優」は一人もいない.シナリオとかも (おそらく) 存在しない.ところどころに挟まる資本論からの引用朗読の周りに, 12 人それぞれの個人的な事象を延々と語りまくる.芝居と言うよりも,むしろイベント.ただし,放送元はあくまで「演劇」というカテゴリ内.個々人の自分語りは,まぁ人に歴史ありで面白いことは面白い.まぁ,同じ自分語りを聞くんなら,経験豊富な人の客観的な語りを聞くに超したことはなかろうけど.が,そっち方面にばかり注意が行くと,より波瀾万丈を求めるようになってすぐに煮詰まることになりかねん.時代は 1944 年から 2015 年まで.未来の自分まで語ってる (笑).

スクラッチ・オーケストラやポーツマス・シンフォニア,フルクサスのオーケストラ? システムのことなんかどっかで言ってたっけ?

  • 構成・演出:ヘルガルド・ハウグ,ダニエル・ヴェツェル (リミニ・プロトコル)
  • 翻訳:萩原ヴァレントヴィッツ健
  • 出演:クリスティアン・シュプレンベルク (コールセンター職員),トーマス・クチンスキー (経済学者),脇水哲郎 (会社員),タリヴァルディス・マルゲヴィッチ (映画監督),大谷禎之介 (経済学者),ヨヘン・ノート (経営コンサルタント),フランツィスカ・ツベルク (通訳),ラルフ・ヴァルンホルツ (電気技師),サシャ・ワルネッケ (活動家),佐々木隆治 (大学院生),萩原ヴァレントヴィッツ健 (大学講師),ユルゲン・ハルクセンウルフ・マイレンダー[劇中ではユルゲン・ハルクセン, ED ではウルフ・マイレンダーとクレジットされている.ステージで自著のハルクセンの伝記 "Wie ich den Reichen ihr Geld abnahm" を掲げているが,これは Jürgen Harksen と Ulf Mailänder の共著.どっちなんだよと調べてみたら,写真入りのホームページ Ulf Mailänder Startseite を発見.よってウルフ・マイレンダーが正しい.テロップ間違ってるぞ (笑).] (投資コンサルタント)
  • 美術:ダニエル・シュルツ
  • 照明:コンスタンティーン・ソネソン
  • 音響:フランク・ペーレ
  • 公演制作:フェスティヴァル/トーキョー
  • 2009 年 3 月 1 日,東京 にしすがも創造舎

資本論全三巻の入手が容易な邦訳は 1) 向坂逸郎訳岩波書店版, 2) 岡崎次郎訳大月書店版, 3) 資本論翻訳委員会訳新日本出版社.会場で配られた (ただし,その後回収された (笑)) のは,赤いジャケットの大月文庫版だそうである.

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