ぐる式 (貳) より引っ越し作業中.未完.

2009年8月15日土曜日

奇想の王国 だまし絵展 (Visual Deception)

奇想の王国 だまし絵展 | Bunkamura ザ・ミュージアム

気が付いたら会期終わりそうだったんで,慌てて行って来た.すんません,慌ててません.

人が多い.よって慌ただしい.じっくり観られん.人の迷惑顧みずに粘ってたけど (笑).あと,会場内が暗い.思ってたより狭い.これでは半日は潰せんな.

おおむね 6 パートに別れてた.配列もこの順序.

  1. トロンプルイユの伝統: 28 点
  2. アメリカン・トロンプルイユ: 10 点
  3. イメージ詐術 (トリック) の古典: 10 点 (アナモルフォーズとかダブル・イメージとかシェーンとかはここ)
  4. 日本のだまし絵: 37 (35) 点
  5. 20 世紀の巨匠たち -マグリット・ダリ・エッシャー-: 18 点
  6. 多様なイリュージョニズム -現代美術におけるイメージの策謀-: 19 点

いわゆるトロンプルイユの割合が多いな.ヘイスブレヒツの絵は予想よりもだいぶ大きかった.迫力がある.そのせいか,どうも寓意画のように見える.アルマナックがあちこちに出て来てるせいだろうか (笑).日本にもアナモルフォーズがあったのにはびっくり.鞘に映してみるので鞘絵というそうである.シェーンの絵は予想より小さかった.今回初来日のアルチンボルドはやや大きい.なお『水の寓意』はアルチンボルド作ではなくて,彼の工房の作品なんだそうな.このコーナーでびっくりしたのは,キルヒャーの書籍が展示されていたこと.タイトルは『光と影の魔術 (Ars Magna (Lucis) et Umbrae in Decem Libros Digesta)』.開かれていたページは,アナモルフォーズの作図法のところ.やっぱエゾテリスムと無関係ではないのか (笑).ところで,図版ではタイトルに Lucis がないんだが,これはあるのが正しいんだろ? 日本篇,国芳の絵は意外に大きかった.これエエな〜.騙し掛け軸がいっぱいあったが,鈴木其一の『業平東下り図』は欲しくなったデス (笑).「日本のだまし絵」はイデオロギーが前面に出て来ないのが粋でエエね. NHK の「だまされて“見える” 錯視芸術の快楽|新日曜美術館」では名前が出て来なかったけど,「ダリとかデュシャンとか,エッシャー」,ちゃんと展示されとりました.なんか得した気分.サイズは小さいんだけど,エッシャーは生で見ると全然違うね.なんつうか,もう解像度が段違いという感じ.生々しい.見慣れた絵ばっかりだったが,真物は迫力が違うな.なんつ〜か,こう,向こうからぐぐっと迫って来る感じ.ダリとマグリットではそんな感じはしなかったのは何故なんだろか.ここでうれしかったのは,一点だけだが,デルヴォーの絵が拝めたこと.『窓』という作品.けっこうデカい絵だが,何故かどうしても離れられない.迷惑になるんでソファからずっと眺めてた (笑).デュシャンは現代コーナーに並んでたが,なんと,マン・レイが一点展示されてた.うぉぉ〜 (笑).本城直季の『small planet』シリーズより二点,デカいっす. 1200X1500 というサイズですよ,これ.こりゃ 35mm なんてあり得んなと思ったら,図版に解説が載ってた. 4X5 の大判カメラだそうな.あおりを使ってるのは合ってた.さて,パトリック・ヒューズの『水の都』,ネタは判っててもやっぱこれはオモロいわ〜.ライヴの絵 (というか作品) ですね.ただ,鑑賞者の方がアクティヴにならんといかんが.ネタが判ってるので,あまり近寄って見ると,こちらが動いても,向こうは動いて見えない.ある程度距離を置いて見ないとダメだな.

ずっと iPod でフェルドマンの "For Philip Guston" 流しながら見て回ったが,寡黙な音楽がけっこう合うね,コレ (笑).

来月,ここで「ベルギー幻想美術館」という展示があるそうで,マグリットやデルヴォーに加えて,なんとアンソールも見られるらしい.これは行きたいな〜.どなたかご一緒しませんか? ショップで売ってるダリ・フィギュアとか欲しいかも〜 (笑).

2 件のコメント:

  1. なんとなく呼ばれた気が・・・気のせい?

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  2. お〜.では是非ご一緒しませう.って,源氏名が銀さま? 凄ぇ (笑).

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