「小夜,闘って……」 © ハジ.
TV Series Animation - BLOOD+ - 公式HP, BLOOD+ (MBS).
IG だからという訳でもないだろうが,なんか お伽草子 を思い出した.音無小夜が源光 (ヒカル?) で,チェロ弾きのハジが万歳楽.画面を流れる血の量は『シャイニング』ほどではないけど,けっこうな量.でも,まったく匂いがしない.やっぱこの辺が劇場版『Blood the last Vampire (Production I.G: Blood the last Vampire)』との違い,テレビ放送版の制限なんかな〜 orz.それでも三ヶ所ほど『Blood the last Vampire』を追想させる場面が出て来た. avant の冒頭は『パトレイバー 2』だし (笑).
一年もの (↓) の割にはかなり進行が早かったような.登場人物群は大きく分けて四つ.
- 人間 A が小夜の周辺 (それ以外にも出てくるだろうが) に位置するニュートラル派.クラスメートの金城香里.宮城家の親父ジョージと息子のカイとリク.クウ (クー) もいるはずだが,鏡面の裏に隠れとるか (笑).
- 人間 B は積極的に翼手と関わりあう存在群.デヴィッド,ルイス,在日米軍の連中.んで,ヴァン・アルジャーノ.こいつはロスチャイルド派か.名前は無国籍風というか実にエエ加減だが.なぜにオランダ系に加えてラテン (笑).
- 翼手たち.固有の名前が与えられていない.
- 小夜.もしかしてハジも? 翼手亜種というか人為的に作られた翼手眷族.うみゅ〜,工藤夕貴って凄かったんだな〜.
劇場版の原作 (押井守『Blood the last Vampire - 獣たちの夜』, 1998, 2000) では,翼手は,吸血行為,紫外線嫌悪,飛び抜けた身体的変形能力を三大特徴とする生物で,人類に寄生する存在と説明されている.吸血鬼の原型となった,とされる.要するに,本来は内在する闇の部分,醜悪な部分,腐臭のする暗黒を押し付けられた外部存在である.可哀想なのはこの子でござい.テニスンはこれを「Tho' Nature, red in tooth and claw (In Memorium by Alfred Tennyson)」と呼んだが,もちろん彼は鏡を覗き込んでいたに過ぎない.後代ではもっと狡猾な解釈になって,ホモ・デメンスと呼んだりしている. excès (ズレ) と言ってみたりもする.それは在る (exists). is じゃなくて exists なのは,もちろん ex-ist それは己の内にはない=外部に立つモノであると騙ることを要請されるからだ.剰余 (バタイユ) とか非場所 (今村仁司) とか名付けられたいるモノも,おそらくはそういうモノだ,
その他のメモ.
大喰らいだが痩せている理由. 1) 身体蟲が寄生している. 2) 内臓の機能的不良で喰ったもんがほとんど出て行く. 3) 摂食したものがクラインの壷の中へ移動している. 4) 食事行為は見せかけて消化器官は別物だし喰うもんも別.
ストリートでバッハの無伴奏チェロ組曲って,やるじゃん (笑).シアトルでは駅前で無伴奏ヴァイオリンの方を弾いてる少女を見掛けたけどな.
米軍管理下のマウス二体が逃亡したそうだが,マウス=翼手あるいは眷族だとして,この一体が夜の高校に現れた変形済みの彼ならもう一体はハジ? じゃないよね〜.ただ,ハジは右手がすでに変形を開始している.ここが佳く判んなくて,翼手あるいはその眷族が持つ「飛び抜けた身体的変形能力」というのには,異形のものに変じても,再度人間そっくりの姿に変形できるはずなんだよな.ただし,それを示すエピソードは劇場版では出て来てない.ひょっとすると変形は不可逆的なプロセスなのかも知れない.だとすると,ハジの役目は道標だ.阿修羅王に対するユダである.
小夜は一年以上前の記憶がない.関東で暴れていたことを暗示させるエピソードが出てくるが,詳細は不明だし,繋がりがあるようだが,その辺の謎解きも話を引っ張って行く推進力になるんだろう.
avant (ベトナムらしいがアフガンでもイラクでも中近東でも可だろう) で暴れている段差日本刀女 (翼手眷族) と小夜との関係は? 同一人物かと思ったけど,夜の生物教室,ハジが血の接吻で小夜の記憶を呼び起こす際に起きるフラッシュバックでは,どうも暴れている段差日本刀女を隠れて「見ている」誰かのようにも思える.なら,ソレは機関銃で撃たれても平気だから眷族なのは間違いないとして,彼女は小夜の先達になるのか? 小夜の翼手殺戮はある程度受け継がれた憎悪故の部分があるということになる.いずれにせよ,それは最終的には眷族である自分へと至る.
ハジの血が小夜の記憶回復に効くように,小夜の血には翼手殺傷能力があるそうな*1.大量失血だけでは仕留められない場合もあるらしい.なら,劇場版の最終シーンで,小夜が切った翼手に自分の血を与える場面は,最後の慈悲=とどめを刺すことになって,意味合いがちょっと変わる.「血が殺す」というのは,あんまり見たくない己の内なる闇の部分を外部に転嫁していることだけど,まぁ絵になると言われれば,そうかも知れない.
プロデューサだったっけ,「行為なしに戦争を描く*2」という試み「も」テーマの一つらしい.第一話を見た限りでは,ここで言われている戦争とはカイヨワがいう第四形態,いわゆる国民戦争であって,文明の傾向 (進化と言えるのかどうか不明なので) に応じて,抗争レベルから無差別大量殺戮へと「発展」して来た (今のところ) 最終段階に当たる.もっともこれら四形態は排他的なものではなくて,あとの方になるほど規模が大きくなり,複数の事象の複合体になっていく.それぞれの事象は抗争であったり,決闘であったり,征服であったりする.それらが集まって「国民戦争」と称せられるモノになる.一年という時間があるのなら,第一形態から全部出してくれるのかも知れんけど,まぁ,そういう啓蒙的なモノにはならんだろう (笑).
ローマ神話では戦の女神をベローナと呼ぶ.ギリシア神話ではエニューオー,あるいは軍神マールスの同伴者ネリオーと同一視される.「
この女神祭る祭司たちは,祭礼のおり,黒い衣をまとい,みずからの腕に傷をつけ,そのほとばしる血を観衆に浴びせながら踊り狂ったという
」.
なんと一年間の長丁場らしい.うへぇ〜,『Eureka 7』に加えてコレもかよ〜.最後まで追い続けられるか,かなり不安だ (笑). OP はまるでダメ. ED はそこそこだが手元に置いとこうと思うには程遠い.
『立食師列伝』 (実写?) が 2006 年春公開予定*3らしい.
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