「卵じゃなかったようです」 © 影絵少女 B 子〜「ウテナさまは生まれ変わりを信じますか?」 © 姫宮アンシー.
七実さま卵綺譚.この卵はいわゆるイースター・エッグ風に装飾が施されている.誰の選曲か知らないけど, BGM が梓みちよの『こんにちは赤ちゃん』 (1963) に由紀さおりの『夜明けのスキャット』 (1969) と,かなり凄い (笑).もちろん,いずれも音源はオリジナルではない. 第十六話 以来,久し振りにトルコ行進曲長調主題風も.
前回の予告では,「他人に言えない悩み」とか「卵の殻を破らねばオムレツは作れない」と,例によって七実のギャグ話を擬装していたが,この異様にシュールな回はどうもチュチュの托卵という話で,七実が仮親ということらしい.七実とともに産卵する三体はニワトリ,カメ,カエルだが,カメの産卵管が妙に生々しい.ちなみに三体とも最終的には骨や標本になる.
別個の解釈を探るとすれば,思い浮かぶのが「歌う骨」である.ヒントになるのは冬芽との会話から得られる.そこから推し量るに卵の中身は抑圧された感情とか禁忌とでも称すべきもの.この,七実自身によって葬られた七実の感情=分身は,七年後に見ることすら禁じられたもの=モンスターとなって姿を現すことになる.従って,リング形状の光線はもちろんグローバル・ノイズ・キャノン.卵の中身はもちろんミッドナイトひよこが乗ってた (バインドされていた) アレ.
チュチュの托卵と七実の抑圧された感情を足して妄想を加える.材料はアンシーの「生まれ変わり」云々という台詞.すると,アンシーが己の禁忌を,七実 (の負の感情) を苗床にしてチュチュという形態で出現させるという話になる.こう考えると,チュチュの姿はひどく不気味なものに見えて来る.この場合だと,チュチュはデカルトの夢のようなものである.
くるくる薔薇と髪の色の対応
初出話数 | 名前 | 髪 | 薔薇 | 数 | 合致 |
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#27 | 砂場で卵を掘り出すちび七実. | 黄 | 黄 | 4 | ◯ |
#27 | ベッドの卵. | (黄) | 黄 | 4 | (◯) |
#27 | サッカー・ボールを取りに来た男女ウテナ. | ピンク | ピンク | 4 | ◯ |
#27 | 排卵告白黒ベタ・シミュレイション | 薄い黄 | 薄い黄 | 1 | ◯ |
#27 | 食事中の七実と冬芽 | 黄と濃いピンク | 黄と赤 | 各 1 | ◯ |
確かにアンシーの言うとおり,「でも,父親は誰なんでしょう?」.処女懐胎だからいません (笑).
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