ぐる式 (貳) より引っ越し作業中.未完.

2007年10月15日月曜日

ef – a tale of memories. #02 upon a time

  • ef - a tale of memories. OP CDS / ef - a tale of memories. DVD 1

「わたしは十三時間しか記憶を維持できないんです」 © 新藤千尋.なんぢゃぁ,そりゃ〜っ.いや〜,先が判らんって言うのはエエねぇ〜.何か変な方向で面白くなって来たので,続行の可能性大.しかし,千尋役の やなせなつみ の声には忍耐力を試されるな〜.

そう言えば,水野さんの「ではここは風音市だったんですかっ!」を読んで,あれ,出て来てたっけ? と思って見返してみたら,確かに「きっと空には飛行船 地上にはお祭り」 (〜別役実『街と飛行船』) なのであった.空を行く飛行船というのは 1) 大いなる来復としてのジェノサイド, 2) 偉大なる詐欺師御用達のタイムマシンのいずれかなのであるが,今回は後者であることが判明する.もしかしたら,詐欺師の部分も合ってるかも (笑).

前半が広野,景,みやこ (+ 京介) の,後半が麻生と千尋の,それぞれアタックのないズルズルした話が延々と続くんで,やっぱ切るかな〜と思っていたのに,最後でひっくり返された.それが冒頭で引いた台詞.思わず吹いた.いったい何者なんだ,この眼帯女は,記憶の引き継ぎに星新一の手法を使って (笑).ってな感じでコレが「途轍もない設定」であり「およそ信じ難い前提」である.次ぎに来るのは,コレに対する疑惑を隠蔽するもっともらしい危機,あるいはさらに信じ難い状況の喪失.

とりあえず,廃線となった音羽駅での麻生と千尋のデート,その冒頭部分で千尋が麻生を認識する辺りを調べてみる.

  1. 例の「四十五秒未満の邂逅」.全体で「え?」と「うん」だけ.麻生にとっては初対面なので,とくに違和感なし.
  2. 「(三番目の台詞) 以前わたしと逢った方ですか?」
  3. 「(いろいろあって) 昨日……,あの,もしかして麻生さんでしょうか?」 (ここまで第一話)
  4. 「こんにちは」 (なんだよ,ふつうに挨拶してるやんか.そのあと確認もせずに麻生の名字を呼んでるし)
  5. 「蓮治くんですか?」

上記からすると,四回目 (第二話一回目) に音羽駅にいたのは真千尋ではない偽千尋かも知れないという可能性がある.一応コレを千尋コピー一号としておこう (笑).それでも B パートのラスト,上記トンデモ告白から,潮騒が高まる中二十三カットを切り替えて OP の "euphoric field" になだれ込むシーケンスはカッチョ佳かった.

四回目の出逢いのあとで麻生が読んでいた旧字旧仮名の本は,芥川龍之介の『かちかち山』.千尋と火村がツルんでいて,「千尋の側にいたいのなら覚悟しろよ」云々というのは,その名前から言って,新本格程度ならまだしも,メタ・ミステリ,アンチ・ミステリ,暗黒ミステリに手を出すのなら覚悟しろというありがたいご忠告.

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