- アンドリュー・ヴァクス "グッド・パンジイ", 菊池よしみ 訳, ハヤカワ文庫, 2003, ISBN4-15-079611-4, (Andrew H. Vachss "Dead and Gone", 2000)
岸田文庫から借りたバーク・シリーズもこれで最後のシリーズ十二作目.今回はバーク自身が襲撃されて死にかけ,なんとパンジイが命を落とす.人より先に犬を殺すとはヴァクスは鬼だ (笑).敵は相変わらずだが,かつてのバークとウェズリイの組み合わせには第三の男というか少年がいて,その名はルーン.「天才分析屋」として登場し,パンジイの弔い合戦に忙しいバークに手を貸す,といった流れ.
後年,ウェズリイが裏社会で名を上げて,あいつが追跡を開始するたびに噂の流れが震え上がるようになると,世間のやつらは,あの男は生まれながらの殺人マシンだと言った.やつらは,ウェズリイが心をもっていたころのことを知らない.ナパーム弾の心,愛してくれる人間のためならすぐに爆発して燃え上がる心を.
ルーンはこの上なく心やさしい人間,おれの知っているもっとも穏やかな人間のひとりだった.ウェズリイのほうは危険きわまりない殺人者となった.死んだあとも,その名前が恐怖を引き起こさざるをえないほどの.だが,おれたちがともにガキだったころ,あの二人は同じ心を持っていたのだ.
なんか,ウェズリイの株がどんどん上がって行っとるな.次からはローレンス・ブロックが十四冊ほど控えている.
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