ぐる式 (貳) より引っ越し作業中.未完.

2006年8月21日月曜日

岸田國士『屋上庭園』,『動員挿話』 2005

岸田國士戯曲賞 で名前だけは知ってたけど,作品を見るのは初めて.もちろん読んだこともなかった.失礼しました.ちなみに岸田今日子の父親.戯曲作品は 岸田国士 戯曲(発表年順) によると大正十三年から昭和二十九年に掛けて 75 作が書かれている.意外に古かった.『屋上庭園』は大正 15 (1926) 年 11 月,『動員挿話』は昭和 2 (1927) 年 7 月と同年 9 月に発表されたもの.夢野久作がデビューしたての頃じゃないか.前振りに出て来てたベテラン山路和弘氏,『幻想魔伝最遊記』や『蟲師』で声優も務めてました.知らないとは迂闊でした (笑).

  • 屋上庭園
    • 並木:山路和弘
    • その妻:神野三鈴
    • 三輪:小林隆
    • その妻:七瀬なつみ
    • 作:岸田國士
    • 演出:宮田慶子
  • 動員挿話
    • 馬丁友吉:小林隆
    • 友吉妻数代:七瀬なつみ
    • 宇治少佐:山路和弘
    • 少佐夫人鈴子:神野三鈴
    • 従卒太田:太田宏
    • 女中よし:遠藤好
    • 作:岸田國士
    • 演出:深津篤史

2005 年 11 月 11 日,新国立劇場小劇場 The Loft.新国立劇場の制作.それぞれ, 35 分, 60 分と驚異的に短い.『屋上庭園』は大正末期のインテリ層における勝ち組と負け組の対比.演出はストレート.『動員挿話』の「動員」はてっきり第二次大戦のことかと思ったけど,時期的には第一次大戦ですな,こりゃ.まぁ,根本は変わってないけど.多少はったりの効いた演出で幾分観やすい.

[インタビュー]  ゲスト:山路和弘  聞き手:横内謙介/植本 潤
[舞台中継] 新国立劇場公演 「屋上庭園」(演出:宮田慶子)
「動員挿話」(演出:深津篤史)
(新国立劇場小劇場 THE PIT・2005年)
作:岸田國士
出演:山路和弘、七瀬なつみ、小林 隆、神野三鈴 ほか

8月の「深夜劇場へようこそ」は、日本の名作戯曲の特集です。
岸田國士と三島由紀夫という、演劇史に名を残す2人の世界をお楽しみください (三島由紀夫のは四月に放送した『サド侯爵夫人』の再放送)。
「屋上庭園」「動因挿話」この2作品の連続上演は、新国立劇場「THE LOFT〜小空間からの提案」
シリーズの一つです。
紀伊國屋演劇賞・読売演劇大賞をダブル受賞するなど、高い評価を得た作品の、
これが初放送になります。
演出家は別ですが、キャストはほぼ共通なので(「動員挿話」で2名が加わります)、
異なるキャラクターを演じ分ける、役者の演技も見どころの一つです。
宮田慶子演出の「屋上庭園」は、まだ高層建築が物珍しかった時代、あるデパートの屋上で、
今で言う「勝ち組」と「負け組」の夫婦2組が繰り広げる、ささやかな人間模様です。
負け組男の台詞に、強がりと本音が交錯するあたりが、なんともリアルです。
深津篤史演出の「動員挿話」は、ある陸軍少佐夫婦と、それに仕える馬丁夫婦の物語。
出征が決まった少佐は、馬丁に一緒についてくるように命令します。
しかし、かつて夫に先立たれたことのある馬丁の妻は、
「戦争に行くぐらいなら私は死ぬ、だから行かないで」と夫にすがります。
妻への愛と男としての誇りとの間で揺れ動く男。彼はついに決心しますが、その結果・・・。
トークゲストは山路和弘さん。青年座入団から徐々に頭角を現し現在に至るまでの軌跡、
また、宮田さん・深津さんはじめ、鈴木裕美さん、宮本亜門さんなど、これまでに出会ってきた
さまざまな演出家の印象など、気さくに、かつ真剣に語っています。

どうでもエエが,昭和元年は 1926 年 12 月 25 日以降の七日間だけ.

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