- ローレンス・ブロック "殺しのリスト", 田口俊樹 訳, 二見文庫, 2002, ISBN4-576-02074-9, (Lawrence Block "Hit List", 2000)
スカダー・シリーズでもバーニイ・シリーズでもない殺し屋ケラー・シリーズ第二作.営業と司令塔担当のドット (ランサムによればドロシアの愛称) と実行部隊であるケラーのコンビの話.長編ミステリと銘打たれてはいるが,タイトルが List<MurderCase> となっているとおり,依頼を受け,実行し,戻って来るという「殺し」のコレクションとなっている.つまりは短い「殺し」の繰り返しな訳で,筒井康隆の『夢の木坂分岐点』みたいな構成だが,あれは時間軸も縦のリストになってるのに対し,こちらは横のリストで,要するにシリアル. serial experiments なのである.繰り返されるたびに細部が微妙に異なって来て云々.別名,ミニマル・ミステリ (笑).ケラーに付きまとう「謎の殺し屋」ロジャーは実はドットなんじゃないかと思ったけど,そりゃアニメの見過ぎですな.これは面白かった.今まで読んだブロック作品のなかでいちばん面白かったんじゃないかな.第一作の連作短編集『殺し屋』も読みたくなった.
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