- 萩原朔太郎 "猫町", 他十七篇 清岡卓行 編, 岩波文庫, 1995, 2005, ISBN4-00-310623-7
生まれて初めて朔太郎を読んでみたわけだが.表題作の方が変な期待の方が大き過ぎて今一つピンと来ないというか,まぁ Dazed and Confused なわけで,要するに何が言いたいかというと,「そこそこ面白かった」ということに落ち着いてしまうのか (笑).最初にざぁっと読んでみた限りでは『ウォーソン夫人の黒猫』の,オールド・ミスに降り掛かる狂気の発症がけっこうスリリングだったり.詩の方は判らんということで.アフォリズムはなかなかよろしい.編者の清岡卓行の解説はさすがに細かく,ブラックウッドとの対比はとくに興味深かった.ま,半分はこれが読みたさに岩波文庫版を買ったようなもんだし.それはそうと,「あの不思議な人外の町」はすでに「銀河鉄道の夜」を観てしまっていると,やはりこれは死への入り口なのか,きっとその街並は「夢の風景」画家フランコ・マニャーニ描くところのポンティトに瓜二つなのだろう,なんぞとロクでもない考えを抱いてしまうのは,どうにもしようがないことなのか (笑).
ふと探してみると,やはりというかなんというか,アニメ化されていた.[画ニメ]萩原朔太郎+金井田英津子:猫町.どちらかというと紙芝居的らしい (プレスリリース/東映アニメーション株式会社) んだが,ナレーションが町田町蔵ってぇのがえらく興味を引くじゃぁあ〜りませんか.一枚買ってみるか.
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