- 内田百閒 "東京日記 他六篇", 岩波文庫, 1992, 1997, ISBN4-00-311272-5
さらに微妙になって今度は「曖昧」.だけど,関東大震災で消息不明になった教え子の長野初さんをめぐる『長春香』は古い写真を眺めているような趣き.でも位牌を闇鍋にブチ込んだりする.『青炎抄』,『南山寿』は両棲類の粘膜みたいな感じ (ってどんな感じやねん).鈴木清順の『ツィゴイネルワイゼン』の原作となった「サラサーテの盤」も相当ヤバい.でも圧巻は日比谷交叉点から大鰻が上ってくる話で始まる『東京日記』.まるで「ちょっと通してください」と言って大蛇が部屋をすり抜けて行く『不条理日記』のアレのような話.
『東京日記』の「その七」の冒頭に「市ヶ谷の暗闇坂」とある.あれって横浜だけじゃないのか (笑).曙橋駅の西 300m ぐらいのところにある.人喰いの木があるかどうか,今度見に行ってみよう.
0 件のコメント:
コメントを投稿