五ヶ月くらい経ってようやく観た.割と後期の昭和 10 年の 作 だというから,夢久最晩年の頃か.舞台はバッハの無伴奏パルティータ第二番 BWV1004 のアルマンドで開幕.全編アイロニカルな雰囲気なんで,おフランスかぶれにドイツ音楽を流すのって,わざとなんだろうな〜 (笑).なんだカットあるんか orz.元は外交官だったらしいが,おフランスかぶれで今では零落中産階級のオヤヂ沢一寿とその二人の娘のイヤな話.そういや,『屋上庭園』も『動員挿話』も『ここに弟あり』も『隣の花』もあんま後味エエ話ではなかったな〜.でも,とくに『沢氏の二人娘』は本谷有希子の芝居とそんなに遠くないような気がする.主役三人がとことんヤな人間ってぇのも,なかなかアレ気です.そのせいか,無骨で不器用で情けないオヤヂに感情移入してしまいますが (笑).ふつうメインがヤな人間ばっかだと,お手伝いさんとか友人とかの脇役にエエ人が出て来そうなもんだが,そういう甘えは一切排除してお送りしております.
- 沢一寿:北村和夫
- 沢悦子 (長女):三浦真弓
- 沢藍子 (次女):富沢亜古
- 田所理吉:松本修
- 奥井桃枝 (らくの娘):青野曜子
- 神谷則武:高橋悦史
- 奥井らく (家政婦):八木昌子
- 作:岸田國士
- 演出:加藤新吉
- 装置:石井強司
- 照明:古川幸夫
- 効果:望月勳
- 1982 年 8 月,三越劇場,文学座公演
台詞を噛むのが気にならない芝居と気になって仕方がない芝居があるとするなら,『沢氏の二人娘』は後者.藍子さん,しっかりしてください orz.
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