NHK 啓蒙番組だが,冒頭でいきなり池辺節が炸裂.「山のソナタのあら遠く」→「あ,違うか,そりゃ「そ」と「あ」が逆になっちゃったですけどね」.最後は "a la turk" かも知れない (笑).二テーマの呈示・対立,展開・葛藤,再現・和解って,ヘーゲルのアレを持って来ただけでしょ,後付けで (笑二).「序奏」は「除奏」でも佳いそうです.飛ばしてるな〜 (笑三).
ネタは以下のとおり.標識字幕付き.
- 基本形:モーツァルト:交響曲第 34 番ハ長調 KV.338 第一楽章:ブロムシュテット. 2006 年 2 月 3 日, NHK ホール. (繰り返しなし)
- 展開部がない形:モーツァルト:フィガロの結婚 KV.492 序曲:プレヴィン. 2007 年 9 月 8 日, NHK ホール.
- コーダを拡大してほぼ四等分となった形:ベートーヴェン:交響曲第五番第一楽章:外山雄三. 2007 年 10 月 5 日, NHK ホール. (繰り返しあり)
- ちょこっとした工夫.
- 再現部直前のホルンの信号:ベートーヴェン:交響曲第三番第一楽章
- 再現部が主調の短三度上で回帰:シューベルト:交響曲第八番第四楽章 (ブロムシュテット)
- 1) 贋再現部 (実は展開部の冒頭), 2) 再現部のリズム改変:ブラームス:交響曲第四番第一楽章 (マリナー)
- 標題音楽に応用した例:チャイコフスキー:ロミオとジュリエット:サンティ. 2007 年 11 月 16 日, NHK ホール.
もしかして,外山さんのベートーヴェンは大変な熱演ではないか.いささかオケがよれているので名演ではないかも知れんが,それでも凄まじい集中力を感じさせるでありまするよ.思わず正座してしまう.しっかし,中期までのベートーヴェンの音楽ってほんまに野蛮やな (笑).
も一個,プレヴィンの春の陽射しのようなフィガロの序曲の場合,展開部がないという事実よりも,下記の旋律が耳に付く,ということの方が大事だと思うんですけど..
モーツァルトにはコデッタで妙に耳に残るメロディを導入してくる曲が他にもあって,すぐに出て来るのが KV.551 のジュピターの第一楽章.これが,もしかして後期ロマン派の主題を三つ持つ拡大ソナタ形式に発展することになるのか知らん.それとも,ベートーヴェンによるコーダの拡大に繋がるだけなのか知らん.
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