「じゃあ,ほら, (岸田戯曲賞を) もう一個あげる」 © 女.
五反田団.
ある日,小さな劇団を主宰する主人公が岸田戯曲賞を (二つ) 受賞したという設定で始まるユルユル・ローファイ劇.本作の初演は 2007 年らしいが,翌年にほんまに岸田戯曲賞を受賞した (笑).
舞台はゆるやかな傾斜のスロープが一個でんと置いてあって,あとはその上に卓袱台がひとつといろんな布切れがわさわさと広げられている.効果は照明だけ.音楽すらない.岸田戯曲賞を二つ受賞した主人公はずるずると状況に引っ張られて,恵まれない人たちに (余分な) 岸田戯曲賞を分け与えるために,マターンという国を訪れる.マターンの三人家族のうち,妹の方は人間である人と大蛇との混血児で,なんでも呑み込む.マターンを出てアメリカに行った先で,その彼女が世界を呑み込んでしまって,主人公は彼女の胃袋の中にいる自分の鼓動を聴いて云々.
- 僕:前田司郎
- 女:望月志津子
- 記者:後藤飛鳥
- 運転手:宮部純子
- 劇団員:中川幸子
- 父:小河原康二
- 兄:安倍健太郎
- 妹:立蔵葉子
- ウェイトレス:西田麻耶
- ボウゾノ:坊薗初菜
- 作・演出:前田司郎
- 照明:岩城保
- 2008 年 2 月, NHK みんなの広場 ふれあいホール
正直,ゆるゆるでローファイで日常的な会話と蛇に呑まれたりマターンやアメリカに行ったりする芝居の内容が,なんつ〜か,その,あまり合ってないように思えるんですけど,どうですかね.そういや,喋りはけっこうぎこちない.そのギャップがうまいこと利用されてるかというとそうでもないようだし.むしろ,蛇に呑まれることで決定的になったように見えるんだけど,他者への嫌悪感みたいなのが表に出て来てるように思えるよな〜.
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