「ご覧なさい.ひまわりや,どの木の下にも麦畑にも,イタリア兵やロシアの捕虜が埋まっています.そして無数のロシアの農民も」 © イタリア外務省の男.
結論:女は強い.ソフィア・ローレンって,ゴージャスというより強面というイメージだな.怒ってるとこはかなり怖い.これだとアントニオは尻に敷かれるだろうな〜 (笑).狼顔で気丈に振る舞っているから,ときたま見せる仕草がひどく可憐に見える.これがギャップ萌えってゆ〜やつ? (違います) アントニオの現地妻がジョヴァンナとは対象的な可憐タイプってぇのが目立つ.あと,意外にコミカルなシーンが多いのも今回初めて気付いた.気の強そうなソフィア・ローレンと,ちょっと頼りなさそうなボンボンのマストロヤンニとの組み合わせも成功した要因の一つだろうな.これがアラン・ドロンとかだったら,すべて計画の上での失踪劇になる.ジャック・ニコルソンだったら,アントニオは救出される前に狂気に陥って凍死する,とか (笑).
この映画には列車を使った別れのシーンが三つ出て来る. 1) アントニオが出征するとき. 2) 旧ソでアントニオが工場から戻って来るとき. 3) 最後のジョヴァンナとの別れ.いずれも列車に乗る方がアントニオで,ジョヴァンナはホーム.なんか,男は船で,女は港でって,いかにも演歌調なんですが.
劇中に「スターリンは死んだ」という科白が出て来る.だもんで,少なくとも時代設定は 1953 年以降だろうが,旧ソでロケやってることから,この科白が許可されたってことはフルシチョフによるスターリン批判が行われた 1956 年より後になるんだろな.あと,行軍中に意識を失って倒れたイタリア兵をロシアの農民が助けるというストーリーも,当然当局の許可を得るのに後押ししたんだろうけど.
エルザ の名前のシーカって,やっぱりこの監督の名前から取ったのかな.音楽はヘンリー・マンシーニ.泣きのメロディが唸りを上げとります.
- Giovanna : Sophia Loren
- Antonio : Marcello Mastroianni
- Mascia : Lyudmila Savelyeva
- Valentina : Galina Andreyeva
- Antonio's Mother : Anna Carena
- 監督 : Vittorio De Sica
- 音楽 : Henry Mancini
- 字幕 : 高瀬鎮夫
この映画,過去にも何回か見てるはずなんだが,最後の方はもうすっぱり忘れていた.ミラノだかナポリだかの駅のホームのどん詰まりに,オリヴェッティのでっかい看板があるとか.あ〜,そういやオリヴェッティってコンピュータも作ってたんだよね.皮を巻いたスピーカを出すようなお国柄だしなと思ったが,皮 PC を持ってた NATO の陽気な連絡員って,イタリアじゃなくてスペインだったっけか (笑).
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