「鏡に映る自分の姿から逃げることはできない (No matter how cleverly you sneak up on a mirror, your reflection always looks you straight in the eye.)」 © ルイス・サイファー.
Angel Heart (1987).邦題は『エンゼル・ハート』.「ゼ」と表記するのは, 1955 年という時代設定を踏まえての表記なんですかね.
時台は 1955 年.露出過多というかハルキゲニアというか,ざらついたオープニングは雰囲気抜群.さて,質問.冒頭いきなり 2 分のところで出る屍体は誰でしょう. 1) お婆さんに見える. 2) 首を切られている.お話はミッキー・ローク扮する NY のうだつの上がらない私立探偵ハリー・エンジェルのところに,人探しの依頼が入る.依頼人はルイス・サイファーと名乗る謎の紳士で,依頼内容は行方不明のジョニー・フェイヴァリットなる人物を探せ.戦前は有名な歌手だった.サイファー氏役はデ・ニーロだが,デニーロ・アプローチではどうやって役作りをしたんでしょ (笑).およそ 40 分ほどで舞台は冬の NY からルイジアナのニュー・オーリンズへ移動.「ニワトリは苦手ネタ」が最低三回出て来るが,ギャグなのか.それから,東部の人間にはディープ・サウスへのコンプレクスか何かがあるんかね.ブードゥー関係で大勢クレジットされてたけど,あんま目立たんかったな.で,結論:自分探し.いや,マジです (笑).
- Harry Angel (NY の私立探偵) : Mickey Rourke
- Louis Cyphre (長髪長爪ステッキの謎の紳士) : Robert De Niro
- Epiphany Proudfoot (ジョニーの友人エヴァンジェリンの娘 ×) : Lisa Bonet
- Margaret Krusemark (ジョニーの婚約者.マダム・ゾーラ ×) : Charlotte Rampling
- Herman Winesap (サイファー氏の弁護士 △) : Dann Florek
- Dr. Albert Fowler (サラ・ハーヴェスト記念病院の非常勤医師 ×) : Michael Higgins
- Connie (タイムズの資料係) : Elizabeth Whitcraft
- Spider Simpson (ジョニーの友人.元ドラマー & バンド・リーダー) : Charles Gordone
- Toots Sweet (ジョニーの友人.ギタリスト ×) : Brownie McGhee (ブルーズ・メンのあの人)
- Ethan Krusemark (マーガレットの父 ×) : Stocker Fontelieu
- Sterne (ルイジアナ警察の刑事.肥満体) : Eliott Keener
- Deimos (その部下) : Pruitt Taylor Vince
- 監督 : Alan Parker
- 音楽 : Trevor Jones (Moody Blues 界隈の人とは別人 28 号)
- 字幕 : 進藤光太
途中何度も挿入され,最後の〆でも使われている.エレベータで降りてくる男はいったい誰なんでしょうね.って,消去法で行くと一人しか残ってないんだが (笑).最後まで判らんかったのが, 1955 - 1943 の 12 年という年月.これ,どういう意味なんだろ.キリスト教関係の時効とは関係ないよね,『ファウスト』の前例があるし.
Toots Sweet Band
- Sugar Blue : harp
- Pinetop Perkins : pf
- Deacon John Moore : gtr
- Richard Payne : bs
- W. Alonzo Stewart : drms
- Brownie McGhee : vcl, gtr
- Lilian Boutte : vcl
- Joel Adam, Darrel Beasley, Steohen Beasley, Jerome Reddic : tap
ルイジアナのブルーズ・バー「Red Rooster」のピアノは Hoffmann だ.聞いたことのないメイカーだな.でも,映画中のバンドのメンバーをきちんとクレジットに出しているのには感心.なお,トレヴァー・ジョーンズのメイン・テーマでテナーを吹いてるのは Courtney Pine で,これもちゃんとクレジットされている.使用曲でフランコ・コレルリ (Franco Corelli) の "Fenesta Che Lucive " (光さす窓辺) が使われてるそうだが,どこに出て来るか判らんかった…… orz.ただし,コレルリのデビューは 1951 年.スカラ座デビューが 1954 年,メットが 1961 年なんで, 1955 年当時はまだそれほど有名ではなかったのでは.一世代先輩にあたるデル・モナコや.ディ・ステファーノが歌った音源はなかったの?
最初にミッキー・ロークを見たのは,マット・ディロンと共演したコッポラの『ランブルフィッシュ (Rumble Fish)』を映画館で.パート・カラーで不思議な感触だった.これって,ステュアート・コープランドがスコア書いてるんだよな.次がエイドリアン・ラインの『ナインハーフ (Nine 1/2 weeks)』と本作.どっちが先だったが忘れたが,どっちも LD で買って観てた.この頃のロークは確かにカッチョ佳かった.今はどうしてるんすかね.しかし,コッポラにラインにパーカーか,けっこう凄い監督陣だな (笑).
「古風だがその片をつけたい.つまり「目には目」ということだ (I have old-fashioned ideas about honour. An eye for an eye... stuff like that.」 © ルイス・サイファー.
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