- ワるきゅーレ III DVD 1 / エマ DVD
「あなたが貰ってくれたら,きっとダグも喜ぶわ」 © ケリー・ストウナー.
晩餐会というのでてっきりアッパー・クラスのソレかと思ってたら全く違ってた (笑).ディナー・パーティはケリーさん家で,ノックスさん (陸橋殺人事件?) がドタキャンしたんで,ケリーさん,エマにアルの三人でディナーという話だった.「呼び捨てにしてることからすると亭主かなにか
」とはまぁなんとお目出度いことよ (笑).整理すると,ケリー・ストウナーさんは十八でダグさんと結婚,二十で夫と死別して寡婦.以来三十年間を governess として過ごす.アルさん (敬称がついた (笑)) はダグさんの友人で,以来初老に至るまでケリーさんを見守っている (クララ・シューマンとブラームスのような) 関係.エマは十五でケリーさんに拾われて現在二十歳.ケリーさんはほとんど昔語りをしないので,アルさんがエマにぽつぽつと話してやってる.ちなみにエマがやってきたときがケリーさんはジョーンズ家の governess を最後に引退した直後辺り.というと現在は少なくとも 55 歳という勘定になる.今世紀初頭に 55 歳ぐらいだということは 1845 年前後の生まれ? そういや当時の平均寿命って幾つぐらいだったんだろう.ちなみに英國の作曲家から拾ってみると 1842 年生まれのアーサー・サリヴァンは 1900 年に 58 歳で没.パリーは 70 歳,スタンフォードは 72 歳で亡くなってる.そうか〜,エルガーやディーリアスの親辺りの世代なんだな.
ケリーさんとエマとの関係は地味ながらもすこぶるうまく行っていて,まるでボールトン子爵とメアリ・バンクス / エリック・ウェルズのような関係 (森薫 "シャーリー", エンターブレイン, 2003, ISBN4-7577-1313-4) なんだが,この話は実は不吉な符牒でいっぱい.まず,ケリーさん家にガタが来ている.家主と同じで「古い」と嘯いているけど.過去話も頻繁に出てくるし,安楽椅子でいつの間にか寝てるというのも無気味.ケリーさんが階段で足を捻るかなんかして捻挫するのも何か嫌な予感がするし,極め付けはケリーさんのネックレス.ダグさんとの思い出の品なんだが,糸がくたびれ過ぎていて一度は切れてバラバラになってしまう.それをエマがなんとか修復するんだが,ボールトン子爵が地球儀をメアリに贈ったように直ったネックレスをケリーさんはエマに譲る.まるで形見分けだよ,そりゃ.
結婚当初のケリーさんとダグさんがエマとウィリアムくんに似ているのはただの偶然でしょうかね (笑).
GPH で鳴らしてみたけど,けっこういろんな音が入ってるのね.地味で落ち着いた話だから,台詞も音も一つ一つに重みがあるように感じられるんだな,たぶん.
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