四年半ほど前に読んだときの 感想 と同じことを思った.愕然.まったく進歩しとらんのか〜 (泣). ミネルヴァ書房 から出てるアクセルロッドの『つきあい方の科学』は読まねばなるまい.
- リチャード・ドーキンス "利己的な遺伝子", 第二版 日高敏隆, 岸由二, 羽田節子, 垂水雄二 訳, 紀伊國屋書店, 1991, 1996, ISBN4-314-00556-4, (Richard Dawkins "The Selfish Gene", 1976, 1989)
"利己的な遺伝子", は,遺伝子とは自己複製子,その唯一の目的は,つまり自らのコピーを増やすこと,ということだけを執拗に述べている書物だが,この「目的」を「利己的」と言っているのは,明らかに
確信犯である判っててやってる.だってよ,「自らのコピーを増やすこと」に利己だろうが利他だろうが,そんなイデオロギーにまみれた言葉が合うはずないぢゃん*1.それに,「生物=生存機械」,つまりは自己複製子が住む器だと言ってるけど,われわれは遺伝子機械として組立てられ,ミーム (文化における遺伝子 (に相当するもの)) 機械として教化されてきた.しかしわれわれには,これらの創造者にはむかう力がある.この地上で,唯一われわれだけが,利己的な自己複製子たちの専制支配に反逆できるのである. p. 321
と,ちゃんとフォローしてるぢゃん.きちんと読みましょうね.「利己的」な「遺伝子」という言葉だけに反応してると,ドーキンスの思う壷だぜ.んで,さすがに訳は読みやすい.
次は何を読めばエエんだ, ジャン=ピエール・シャンジュー "ニューロン人間", 新谷昌宏 訳, みすず書房, 1989, ISBN4-622-03932-X, (Jean-Pierre Changeux "L'Homme Neuronal", 1983) かな.でもコレ読み難いんだよな.あ〜, 新装版 が出てるのか〜.
*1: 塩酸に水酸化ナトリウムを混ぜたとして,塩素が水素にくっ付いたままじゃなくてナトリウムと結び付くのを利己的とも利他的とも言わんのと同様.
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