これは 2003年.
- ケント・ベック "ケント・ベックの Smalltalk ベストプラクティス・パターン", シンプル・デザインへの宝石集, 梅澤真史, 小黒直樹, 皆川誠, 森島みどり 訳, ピアソン・エデュケーション, 2003, ISBN4-89471-754-9, (Kent Beck "Smalltalk Best Practice Patterns", 1997)
これも何度となく読み返している.理由は簡単,全体で 92 個にもなるパターンを覚え切るはずがないからである (笑).ただ,あれだ,全部が全部納得してるわけではない.例えば p.197 の Simple Enumration Parameter でブロック引数を each とするのは梅澤さんのコード例を見過ぎたので自然とそう書くようになったが (笑),引数が複数になった場合は eachX と eachY とはせんな〜.そんときは Role Suggesting Parameter Name (この本にはこんなパターンはない) を使う. Direct Variable Access も滅多に使わんです. p. 103, 「一方,いくつかの変数が直接アクセスで,他は間接アクセスというふうに混ざっていたとしても,あまり気になりません
」,いやぁ,これはめちゃくちゃ気になるでしょう (笑).フォーマットは基本的に Pretty Print にお任せなんであんま気にしない.気になる部分,またはフォーマット掛けると却って判り難くなる部分だけフォーマット掛けたあとに上書きペーストする.幸いそんな部分は Array に絡むごく一部に限られるので少ない.それから,え〜と,ほとんど脊髄反射になっているパターンに名前が付いているんで,それがどういう名前で使われているのかを探すのが面倒だったりする.
物理的なサイズが小さく,コンパクト (250 ページ行かない) なのは大きな利点.もうちょっとフォントのサイズを小さくして各パターンがきっちりページ毎に別れてたらもっと佳かったと思うデス.余白はメモ欄にでもしといて.なんて戯れ言はど〜でもエエ.統一と実践と継続です.守破離[「守破離」,もとは合気道の用語だそうである.アリスター・コーバーン "アジャイルソフトウェア開発", 長瀬嘉秀, 今野睦 監訳, ピアソン・エデュケーション, 2002, p. 22., ISBN4-89471-579-1, (Alistair Cockburn "Agile Software Development", 2002)]の第一レベルだと思うのなら,レベルが上がった段階で振り返れば納得するから盲従すべきだし,そうでないなら少しずつ破って行くというのもアリかも知れん.それが袋小路であるとしても.たいていの場合はそうだが (笑).いや,これも世迷い事だな.この本を読んで,あ〜だこ〜だあ〜でもないこ〜でもないと考えているうちに,関心対象があ〜しようこ〜しように移るという点で「元気が出る」本なのですよ.
これはちょっと……
- p. 189 に誤植. 6 行目「メッセージを遅れるか」は「メッセージを送れるか」が正しい.それ以前に「ら」ぬき言葉は嫌い (→島田荘司『ら抜き言葉殺人事件』).
- p. 87, 第四章 状態の先頭,「
Smalltalk のコーディングで,オブジェクトの振る舞いを明確にするのは最も重要なことです.しかし,状態がなかったとしても何もできません
」ってどういう意味? 文意が取れません orz. - p. 91, 「
Variable State は一時的な利便性のために使用され,リファクタリングされずにそのまま放置されてしまうことがあります.しかしコードをよく見ると,実際にはそんな柔軟性を必要としていないのです
」,これも判らん.利便性=柔軟性?
これはちょっと!
- 最終第八章の「開発例」が簡潔過ぎると思ったら, ケント・ベック "テスト駆動開発入門", 長瀬嘉秀 監訳, ピアソン・エデュケーション, 2003, ISBN4-89471-711-5, (Kent Beck "TDD: Test Driven Development: By Example", 2003) を読んだ方が早いかも.
- 欲しい, Kent Beck "Kent Beck's Guide to Better Smalltalk", A Sorted Collection, Cambridge University Press, 1998, ISBN0-521-64437-2 (ISBN978-0-521-64437-2), なんだ, ISBN-13 って頭の 978 は world-wide なのね (International ISBN Agency - ISBN Standard Revision).
更に追記:2009.06.10
この本は「SBPP」と略すんだそうである.
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