「おれの身体にとって,この骨は人一人分の重さなんだよ」 © ライオンさん.
一部で「おチビちゃんアニメ」として評判になった (?) 作品. Nov 1, 2003 から BS2 で放送されていたヤツが教育テレビで再放送.全 20 話.確か土曜の朝の,『ΠΛΑΝΗΤΕΣ』,『ベルばら』という三連発の最後のヤツだった.『ふたつのスピカ』は R 5 枚に焼き終えたけど,『ΠΛΑΝΗΤΕΣ』は録画済みとはいえ HDD に置きっぱなしで,早いとこなんとかせにゃのぅ.というわけで二回目の視聴.細部はとっくに忘れているので都合がエエ (?).
初回はいきなり「どこまでも長く続く鯨幕」である.初手からお通夜でどよよんモード.鴨川友朗,小学一年生 (?) のアスミ父娘,鈴成先生に高野くんことライオンさんの四人が登場.そしてもの言わぬ鴨川今日子さんがアスミの母親.鈴成先生は唯ヶ浜小学校でのアスミの担任.ライオンさんは鈴成先生の aka 恋人.この五人の共通項は宇宙ロケット獅子号の墜落事件で人生を狂わされたということ.ううむ,淡々としてるけど,いきなりヘヴィだな.同じような宇宙を目指す少年の話である『スは宇宙(スペース)のス』とはエラい違いだ.
とにかく,アスミは健気なんだよな.健気で真っ直ぐでちょっとズレてて.だからこそライオンさんが見えるのか知れんが.ライオンさんは足長おじさんでありメンターであり師であり友達でありと多彩な顔を持っているが,アスミに「ロケットの運転手さんになる」という夢を植え付けて,物語を転がし出させるのが最大の役目.ただ,アスミがその夢を抱くに至った経緯は佳く判らんかった.次回以降で説明があるんだっけか.観直せば済む話だが,我慢我慢.タイトルや絵からすれば,その前の鈴成先生とライオンさんのエピソードで締めることもできたのかも知れないんだが,それで行っちゃうと誰が主人公だか判らなくなるよな (笑).
久し振りに観 & 聴いた Buzy の OP "Venus Say" だが,名曲ではないかも知れんけど,エエねぇ,これは.とくにアスミが女子寮の玄関先の階段でひょんとハネるとこなんか.
次回はいきなり時間が飛んで,中学三年生のアスミ.そうだった,これリアルな時間軸は中学から先に進んで行くんであって,小学校時代とかは現時点では過去の話なんだよな.過去の話はかなりの頻度で現在に割り込んできたと記憶してるけど,どうだったっけ.
例によって原作未読なんだけど,久し振りに観てみて,これは原作も読みたいかも.まぁ,珍しいことではあるが (笑). ED のイラストからすれば,原作の方はかなり硬質な感触のようだけど.
ライオンさんがなぜライオンの被り物をしているかだが,ロケット墜落事故ということから,ついつい『新耳袋』的発想 (リアルなライオンさんの身体は事故で頭部が半ば欠損しているんじゃないか.んで,アスミにだけはそれが見えるので,絶対に被り物は取らない,と) しかできんワタシは,典型的なダメ人間だ. orz
ところで,これ季節はいつ頃なんだろうと疑問が湧いたのだが,アスミも「今は夏休み」と劇中で発言しているし,蝉の声がやかましいことから夏なのは間違いない.そして,花火大会,神社の境内で鈴成先生が高野くんの姿を見掛けることからすると,やはり旧盆なのかなと思う.あとで見返してみたら,ライオンさんの墓参りに来ている鈴成先生に対してライオンさんの母親が「お盆」と発言しておりますな.旧盆なのかどうかは判らない.時刻も判らないけど,仮りに午後 8 時頃だとし,唯ヶ浜=由比ガ浜,東京近傍だと仮定すると,以下のような星空が見えたはずだ.
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iStars 2.4 による画像.
夏の大三角形もスピカも見える時間だ.同じタック製作の『銀河鉄道の夜』によれば,お盆に返ってくる魂との交感が可能になる時間ということ.もっと遅くなるとスピカは隠れてしまう. 15 日前後だとすると,スピカはもっと上方に来るので観やすくなる.
鈴成先生が打ち上げ花火をバックにライオンさんを見るシーンはある意味クライマックス的な場面なんだけど,花火の奥に拡がる夜空がどの方角なのかは佳く判らない.けど,石段を降りた先が海の方を向いているらしいことから推測すると,石段の途中にいて,鳥居の手前に立っているライオンさんを見ている鈴成先生は北の空の天頂辺りの方角を向いていたんじゃないかと思う.
でもこれには疑問があって,もしその仮定が正しいとすると,花火を打ち上げる場所は神社よりも内陸にあることになる.海辺の街で打ち上げ花火をするのに,なんでわざわざ内陸を選ぶ? 安全性から言っても海上または海浜地区を選ぶのが妥当でしょ.とすると鈴成先生が向いていた方角は 180 度反転するわけだが.
いずれにせよ,重要なのは視線が上向きになることだとすると,方角の問題はあまり重要でなくなる.石段と鳥居は強制的に視線を上向きにさせるための装置だ.どっちを向いてるにせよ,天頂を見上げればやっぱり夏の大三角形が見えていたはずだ.右を向いたら木立の先にはスピカが輝いていたはず.やはり,この日時だからこそ,鈴成先生にもライオンさんが見えたんだと思われる.この第一話の脚本と絵コンテは望月智充監督の手によるものだけど,やっぱ『銀河鉄道の夜』の影響がないとは言えんような気がする.
ヒトの視野角に於いて上方のそれが他方に比べて狭いのは,上方から来るであろう危険に対して他方からのソレが圧倒的に多かったことに由来するだろうと思うんだが,本来無色透明である「視線を上げる」という行為に否応なく色付けしてしまうというのがヒトの性.「見下」を「みくだーす」と読むか「みおーろす」と読むかで (まぁコンテクストによるけど) 全く違った意味が発生するが,一方「見上」の方は「みあーげる」しか思い付かん.こちらは「みおーろす」と対になる言葉だが,ここにある種のイメージが付随してしまうことが重要で,それは「激しく求める」とか「希う」とかいうイメージ.つまり鈴成先生は視聴者にそういうイメージを抱かせるような所作を伴ってライオンさん=高野くんを見ている.それは OP でも散見されるけど,印象的なのはアイ・キャッチで,俯いていた五人の人物が,ふっと上を見上げるシーケンスが最後に用意されている.これにアスミの性格である「真っ直ぐ」というのを付け加えてみれば佳い.
今頃気付いたんだけど,荼毘に付してから納骨までの時間ってどれぐらいなんだろ.鴨川家では骨壺に納めてから一度家に持ち帰ってるんだよね.それがふつうなんだろか.浄土真宗では骨壺に納めてすぐに納骨堂に入れていたような記憶があるんだけど,宗派によっては違うのかな.
ううむ,予約時間は前後に多少幅を持たせた方がエエのか.ううむ.
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