「自分の眼で確かめない限り,その力強さは判らない.それは人も一緒だよ」 © ライオンさん.
「親父さんが許せなかったのは,自分の夢を素直に語れなくなったおチビちゃんの姿だったんじゃないかな」 © ライオンさん.今回はライオンさんに名台詞が二つも.
衝撃の事実 (笑).こちらでは「おチビちゃん」だが,原作では「チビちゃん」だったのか! この場合の「お」は,親しみの気持ちを添える語ですかね.出雲阿国の「阿」も同様,「於」と書く場合もあるとか.なお,「お」は「大御(おほみ)→おほん→おん→お」と変遷してきた由.
というわけで (?),リアル・スタートのはずなんだが,もう一段仕掛けがしてあった.サブ・タイトルが出るまでの一分弱のイントロ,前回は獅子号の墜落,今回は小学一年生のアスミの作文なんだが,これを除外すると,サブ・タイトル以降の 30 秒ほどと,ラストの一分弱,ここは国立東京宇宙学校宇宙飛行士養成コースの試験会場で,頭が午前中の筆記試験の終わり,ケツが午後一の面接だ.つまり,本編の大部分は,ここでも回想シーンなのである.この時間構造の違い以外は,原作第一話 (アスミ・シリーズとしては第三話) がネームも絵もほとんど忠実に再現されている.アスミが自分の身長ぐらいの高度差をひょいと飛び下りるシーンもそのままだ.これって,アスミの身体特性を強調するためなんかね,佳く判らんけど.
今更遅いけどさ〜,友朗さん,もっと娘とちゃんと話しようよ (笑).
ともあれ,回想シーンでは俯いてばかりでたまに見上げるのは逃げる時ばかりだったアスミだが,試験会場の昼休みでは,ちゃんと空を見上げている.お,そういや ED のタイトルは『見上げてごらん 夜の星を』だった.
ちょっと変えられているのは,アスミの宇宙学校受験を知る前後での友朗氏の勤務表の埋まり具合と,友朗氏に「ハッキリ言え」と責められて答えるアスミの言葉.こちらでは,前者はとにもかくにも週一休みだったのが休みなしになり,後者では経済状態故に進学できんであろうこと,父一人を置いて東京に出ようとは思ってないなどと口走ってしまう.
中学校での進路相談担当教官に関しては, えむいち。 さんの 「ふたつのスピカ」第2話 アスミの夢(NHK教育)感想 で言及されているとおりだが,この,拒絶とか疎外というキーワードは回想頭の授業中に太陽系内惑星に思いを馳せるシーンとか,同級生たちに掃除を押し付けられるシーンとかにも反映されている.ちなみにどちらも原作にはない.また,付加されたこの二つのシーンにはいずれも府中野くんが絡んでいて,学校での唯一 (?) の理解者であり (??),重要なサブ・キャラクタである府中野くん紹介の呼び水にもなっている.う〜む,佳く考えられているな〜.アイ・キャッチに登場する残りの三人は第三話に出てくるんだったっけ.
重要度という点ではかなり低いけど,ラストで出てくる面接担当官は覚えておいた方がエエかも知れません (笑).
ED のイラストほどではないけど,原作の絵は輪郭がカッチリしているせいか,けっこう硬い感じを受けるのに対し,こちらの方はそれに比べれば,う〜む,うまく言えんけど,原作をちらとでも観たあとでは,匿名性が増していると,まぁ,そんな印象を受ける.
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