ぐる式 (貳) より引っ越し作業中.未完.

2007年8月21日火曜日

プロジェクト・ナビ『雪をわたって… —私たちはあの日森へいってみた—』 1988

「亡き者よ,歌え.
 もの皆終わる歌を.
 価値なき者は我らに非ず,
 進め川の流れの如く.
 永遠よ,永遠よ,燃えよ.
 我らここに立つなり」 © コン作 & コン平.耳にはこう聴こえるが,戯曲では
「意味泣き者よ う 耐え
 も 飲みな お ÷ う 他を
 勝ち泣き者は われらに 非ず
 す 澄め 河の流れの 語 解く
 A¥ よ ええ炎よ も 獲よ
 わ れら 個々に 龍なり[北村想 "Pick Pocket", 白水社, 1979, ISBN4-560-03343-9, p. 120.]」.絶対に判らん (笑).

NHKアーカイブス 保存番組検索: 芸術劇場 雪をわたって…私たちは あの日 森へいってみた

調べてみると,最初の演劇メディア (遊眠社の LD) を買ったのより一ヶ月前に録画している.これが発端だったのだろうか.などという個人的な経緯はど〜でもエエが,なんで狐少年学校生徒は飛行服を着ているのか.というわけで,これは火星とトマトにまつわるお話なのである.そ〜か〜,これももう二十年近く前なのか〜.

  1. イントロ.シロウとカン子〜佐野洋子『百万回生きた猫』
  2. 雪の森.シロウとカン子,コンザブロウ〜宮澤賢治『雪渡り』
  3. 狐少年学校学芸会 (戯曲では「学校祭」となっている)
    1. 開会式.全員.
    2. (黙劇と) 幻燈とお芝居.コン吉 (ウェイター),コン助 (ラーメン職人),コン太 (前世紀初頭英国上流階級)〜宮澤賢治『注文の多い料理店』
    3. アホーマンス『魔法の兄弟』.コン作 (私学の小学生),コン平 (幼稚園児)〜坪田譲治『魔法』.伊沢勉大暴れ.
    4. 道徳のお話『宝の茶碗』.カン子
    5. 童話のお芝居「セロ弾きの幸福なゴーシュの王子さま」.シロウとカン子〜宮澤賢治『セロ弾きのゴーシュ』,ワイルド『幸福の王子』
    6. 休憩.黍の団子.全員.
    7. ケルルン博士の特別講義.空想と科学,素粒子入門.
    8. 閉会式〜森の卒業式
  4. 火星とトマト.シロウとカン子

今から観ても徹底的にシンプルな舞台にお話.学芸会で盛り上がる.何せ「気にシミ玉を子と泣かれ[ibid, p. 112. 「乙女の姿しばきたおさん」と続くが,後半の部分はここでは出て来ない.]」.喚骨奪取に素粒子論と北村節横溢だが,もっとも気になるのは ノノヤママナコ の音楽.打ち込みのテクニック (とくに弦) は当時を考えてもヘタクソ (失礼) だと思うけど,メロディー・ラインとシンプルな和声が何とも言えず佳い.イントロの音楽など鳥肌ものである.

  • シロウ:佳梯かこ
  • カン子:田中ちさ
  • コン吉:小林正和
  • コン助:木村庄之助
  • コン作:伊沢勉
  • コン太:黒田啓之
  • コン六:神戸浩
  • コン平:鈴木千春
  • コン子:本多由佳
  • コンザブロー:田井順三
  • ケルルン博士:金原裕三子
  • 作・演出:北村想
  • 照明:石原福雄,安藤昇益
  • 音響:藤田赤目
  • 作曲:ノノヤママナコ
  • 美術:北村想
  • 絵:野々山智
  • 本多劇場 (3 月 16 〜 21 日)
  • 1988 年 4 月 10 日,芸術劇場

戯曲は 北村想 "Pick Pocket", 白水社, 1979, ISBN4-560-03343-9 として出版されているが,細部はかなり変更されている.

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