1999 年 9 月に出た『入神』 (南雲堂, ISBN4-523-51402-X) がネタである.連載は 1999 年 5 月〜2006 年 5 月と超長期に渡っている (笑).第五章までは,第四章の「蘇活の術」を除いて至極まっとうに進んで行き,ほんまにコレが「ウロボロス」シリーズなのかよと思わされるが,最終章,北村薫の登場とその謎解きに至って一気に瓦解.「ウロボロス」シリーズ屈指のバカ・ミステリに變化する.んもう (笑).読み方によっては,明らさまにコレで終わらせますよ,しかもいちばん無様な姿でと宣言しとるようにも取れる.
- 竹本健治 "ウロボロスの純正音律", 講談社, 2006, ISBN4-06-213626-0
「ウロボロス」三部作はほんまに玲瓏館=黒死舘で終焉なんだろうか.このザマではにわかには信じ難いが.
天意必ズ三界ニ満チ,無明焉ゾ永劫ヲ誇ランヤ.水火相撃チテ暗雲ヲ一掃シ,八卦交リテ迷妄ヲ裁断ス.サレバ人道ニ住スル者,先ンジテ心眼ヲ開キ,神経経路ヲ開キテ,森羅萬象自カラ斯ク在ルガ如ク在ルヲ視ヨ.喼・急・如律令!
[ 竹本健治『ウロボロスの純正音律』, pp. 518-9 より ]
小出和代が唱える呪符の最後,「喼・急・如律令!」は,例えば 有馬啓太郎 "月詠 Moon Phase", I, ワニブックス, 2000, p. 55, ISBN4-8470-3342-6 では「急々如律令」となっている.前振りも「東海の神 名は阿明 西海の神 名は祝良 南海の神 名は巨乘 北海の神 名は愚強 四海の大神百鬼を退け凶災を蕩う」となっている.
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