クレージーの大爆発, 1969

「はっ．坂上欽一ですっ」 © 名無しの警官．当時コント 55 号は飛ぶ鳥を落とす勢いだったらしい．

古澤憲吾監督， 1969 年．ほぼ四十年前の牧歌的なドタバタ映画．クレージー・キャッツ主演中のクレージー・シリーズ第十三作．クレージー・キャッツの映画でも最後期に属する．ディテールはともかく，その繋ぎ方が無茶苦茶で突っ込みどころ満載．チープな特撮にファンキーなガジェット，投げっ放しのストーリー，めちゃ楽しい．瞬間的的快楽主義万歳，ロジクスをぶっ飛ばせ (笑)．開始後一時間ぐらいは銀行破りモノだが，それ以降からおかしくなってくる．しっかし，悠木千帆を除いてみんな芝居が堅くて濃いな〜．

1) 三億円事件の犯人にして宇宙眞円教の教祖さま大木健太郎が植木等．その部下松田に安田伸． 2) しがない歯科医中谷宏に谷啓． 3) 住宅ローンが払えない建築関係の立花五郎にハナ肇，妻の房子に悠木千帆 (樹木希林)，五郎の弟分赤塚に犬塚弘．合併で冷や飯を食わされている銀行マン土井に桜井センリ．やっぱり冷や飯ぐらいの設計マン三橋に石橋エータロー．おおむね三つに分けられる．当時の歯科医師の社会的地位がどの程度だったのかは知らんが，あまりエエ扱いではないので，どちらかというとブルー・カラー寄りなのかも知れない．だとすると，大木健太郎以外はみなしがない労働者な訳である．

ロケ収録シーンでダンサー 32 名を従えて登場するのは いしだあゆみ．筒美京平の曲を歌う．当時『ブルーライトヨコハマ』でブイブイ言わせていたそうである．いや〜，ほんまに牧歌的だな〜 (笑)．