いきなり往年の ATG 映画 (佳く知らんけど) というか,つげ義春というか林静一の『赤色エレジー』 (見たことはあるが読んだことはない) というかそんな感じでちとびっくりしたが,なんと新作なんだそうで,そちらの方がもっとびっくり (笑). 1969 年頃はアングラ四天王 (寺山修司,鈴木忠志,佐藤信) と呼ばれていたそうであるが, 2007 年のこの舞台でも,いかにもそんな感じがするのが不思議.が,舞台にはものがあふれ返っており,電信柱に椅子といった簡素な舞台装置とは大違い.見た目の猥雑さ同様に芝居の方もけっこうエネルギッシュ (すぐに脱ぎ出すし (笑)) で最初のイメージとはかなりズレてくる.台詞はかなり早口.中身はともかく,台詞回しや間の取り方やソロとコーラスのタイミングなど,スタイルの方面では,なんとなく遊眠社の『小指の思い出』を思い出す (もちろんスジとしては逆方向).駄洒落も頻繁に出て来る.が,連想の繋ぎやイメージ配列はかなり異なった質感を持っているようで,なかなか入り込めない.というか難しい.客席では受けてるんだけど (笑).
イントロでちょっと紹介されていたオラショは第二幕の頭の方で登場する["洋楽事始", 東芝 EMI (山野楽器) YMCD-1060/61, 1998, では歌オラショの『ぐるりよざ』の冒頭部分.].後の方でもちょこちょこ出て来る.生月島は長崎である.そういや唐十郎は客演した『ジャズ大名』でも薩摩浪士を演じていた.自身は東京生まれで九州とは縁がなさそうなんだが.ミシンの名字が松浦なのは 岡部耕大 (『肥前松浦兄妹心中』) と関係があるのか知らん (まさか).
- エリマキトカゲ (またもや帰って来た男.ハンガーマン):十貫寺梅軒
- 衿月:鳥山昌克
- 一の瀬金八郎 (ランタン届ける):久保井研
- 濡星透 (衿月の片腕):辻孝彦
- ネモ (屋台を彷徨う船にした艦長):稲荷卓央
- 松浦ミシン (一人工場):藤井由紀
- ダミヤ:丸山厚人
- マリコ (ダミヤの愛人):赤松由美
- 豆腐屋もめん:多田亜由美
- カラス人間:髙木宏
- 百円回収人:岡田悟一,気田睦
- 猫女:野村千絵
- 豆腐屋きぬ:大美穂
- 月給なし女:土屋真衣
- ダンディ舌巻 (じゃりじゃり座長):唐十郎
- 作・演出:唐十郎
- 作曲:大貫誉
- 美術:劇団唐組
- 2007 年 6 月 (10 日?),井の頭恩寵公園内・木もれ日原っぱ・特設紅テント
クレジットには出て来ないけど,宣伝美術 (ってポスター描いたっつ〜ことかな) で合田佐和子という名が出て来た.初期 Rock Magazine の印象的な表紙絵を描いていた人である.懐かしい.
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