演劇集団キャラメルボックス.これも DVD ソース なんだろうな〜.
手話アニメでは『まかせてイルか!-irukaya.com-』というのがあるが,もちろん芝居もある.こちらは手話演劇.ではなくて,手話を部分的に取り入れた演劇.ちょっと小粒なサイキック・サスペンス.あるいは聾者波多野雪絵の完全犯罪.ターゲットを自由に操ることの出来る第二の声の持ち主で作曲家の波多野,サイコメトリーあるいはテレパシー[波多野がペンダントからユーリの思念を読み取ったとすればサイコメトリスト,ユーリ自身から読み取ったとすればテレパス.]の能力もある.その彼に自殺を示唆された高杉 (こちらは脇役),声を奪われたユーリ (こちらが主役).せっかくアニメ (原作は『ナルニア国物語』だそうである) の声優オーディションに合格したのに,声が出ない.アフレコは五日後に迫っている.大型台風接近が盛り上がり曲線を描き,上陸と通過がカタルシスと連動するという,わりとふつうの構成.意外性はないけど面白かったデス.
登場人物全十名中,波多野にコントロールされるのは少なくとも四人.ただ,コントロールが可能になる条件は声を聞かせるだけでなく,そのときに目を合わせてないといけないらしい.声だけだったらほんとに遠隔操作が可能になったのに.なんで,ユーリがマイクに向かって「死んでしまえ」と呪詛の言葉を吐くようなラストは不可能である (笑).
- 広瀬教授 (精神科の研究医,ボケ連発の進行役):西川浩幸
- 高杉 (トップ俳優):三浦剛
- 津田 (新聞記者,幸吉の同僚):佐藤仁志
- チカコ (中学生声優):中村亮子
- 勝本 (AD):畑中智行
- 滝島 (D):大内厚雄
- 雪絵 (波多野の姉):忍足亜希子
- 波多野 (作曲家):岡田達也
- 幸吉 (新聞記者):細見大輔
- ユーリ (声優の卵):岡内美喜子
- 作・演出:成井豊
- 音楽監督:加藤昌史
- 音響:早川毅
- 手話コーディネータ:妹尾映美子 (日本ろう者劇団)
- 2002 年 9 月 4 日,サンシャイン劇場
波多野の傘自殺.雪絵にわたしは一人で大丈夫でと宣告された波多野は傘を自分の腹部に突き刺す.眼を付いて脳髄を掻き混ぜでもせん限りは,これはあり得んだろう.舞台ではそれで波多野が自殺したように進行される.滝島監督が,波多野は悪い人間ではなくて雪絵以外の人間が見えなくなっている云々という謎発言がある.先の不可解な波多野の行為,ユーリとチカコが波多野と同じような特殊能力を持っていること等からすると,波多野の遺志は滝島が受け継ぐのか (笑).
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