「今から四十八年前,昭和三十年の十二月じゃった.うちの前にも現われたんよ,陣八さんと騎一郎さんが.東京へ行こう,今すぐ東京へ行こう.北条さんに逢いに行くんよ」 © ナオ婆ちゃん.
演劇集団キャラメルボックス.天下御免のエンターテイメント劇団,今度は不老不死もの.
なるほど,豊穣なライターですか.箱館戦争末期,降伏を決めた五稜郭から戦闘続行の意を崩さない三人の松前藩士が海路を逃亡するも,竜巻に呑まれ行方不明.舞台は一転して 134 年後に飛び, 2003 年の東京にひょっこり姿を現して云々.碑文谷公園がどうか言ってるんで,目黒区のどっからしいんだが,途中までずっと下関が舞台かと思うちょった (笑).すでに与えられたものとして呈示される不老不死になった訳は一切説明なし.明治の生き残り証人として現代批判とかやらかすかと思われるんだが,途中で陣八が不老不死は罰だという台詞があって,確かにそうだと思うんだが,そちら方面は一切掘り下げられない.けっきょくはラヴ・ストーリーに落ち着くのがらしいっちゃ〜らしい.北条雷太はヒカリにとっての「足長おじさん」,ナオ婆ちゃんにとっては第二の男.このラインとは別に,佐々木と大地の父と子の問題があるけど,まぁ,それはそれで.という印象を持ったのは,たぶんナオ@坂口理恵の熱演のせいだと思う (笑).
- 北条雷太 (榎本武揚派の生き残り,漁師):西川浩幸
 - 騎一郎 (武揚派の生き残り,学者肌?):石原善暢
 - 陣八 (武揚派の生き残り,大工):三浦剛
 - 柳生先輩 (剣道部長),徳造 (雷太を拾った下関の漁師,ナオの夫):篠田剛
 - 菫 (高校一年生,ケーキ屋でバイト):實川貴美子
 - 大地 (高校二年生,剣道部員):畑中智行
 - 恭子 (大地の母,駅前のケーキ屋副社長):大木初枝
 - 佐々木 (新聞記者):岡田達也
 - 鳥居教頭:岡田さつき
 - 丹羽 (高校教師,ナレーター):細見大輔
 - しずえ (ヒカリの幼馴染み,ナレーター):岡内美喜子
 - ナオ (ヒカリの祖母):坂口理恵
 - ヒカリ (高校教師):小川江利子
 - ……
 - 作・演出:成井豊
 - 音楽: Zabadak, (Words : 成井豊)
 - 演出助手:真柴あずき,白井直
 - 音楽監督:加藤昌史
 - 美術:キヤマ晃二
 - 照明:黒尾芳昭
 - 音響:早川毅
 - 振付:川崎悦子
 - 殺陣:佐藤雅樹
 - 舞台監督:村岡晋
 - 2003 年 12 月 17 日,サンシャイン劇場
 
これでキャラメルボックスの舞台録画は四本目.いずれも導入はナレーションで,その後にダンス・シーンがあり,そっから本題が始まるという構成は同じ.音楽はすべてバンド形態で好き嫌いが別れるところだと思う.個人的にはうるさ過ぎると思われる部分が多々あり.ちょっと残念.原作なしのオリジナルものは『嵐になるまで待って』以来の二本目.やっぱオリジナルものの方がストレートというか夾雑物がない分だけ素直に楽しめると思う.
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