- ハリー・クレッシング "料理人", 一ノ瀬直二 訳, ハヤカワ文庫, 1972, 1986, ISBN4-15-040011-3, (Harry Kressing "The Cook", 1965)
小さな田舎街コブに現れた長身痩躯の黒ずくめ男が,類い稀なる料理の腕を武器に感覚崩壊を励起させて街を席巻,プロミネンス城に移ってブラックホールを作り上げる玄妙綺譚.これは高校時代に読んで以来ハマリっぱなし.どことなく軽妙だがとにもかくにもリアルな叙述が,結末 12 ページに至っていきなり暗黒神話的展開に滑り込む様が圧巻.
経歴不明の変名作家ハリー・クレッシングは第二作も早川書房から出てたし,古本屋で見掛けて入手した記憶があるのだが行方不明.引っ越しのドタバタで手放しちゃったかな.
お屋敷の料理人頭がどんなにたいへんかは,『宮廷料理人ヴァテール』を参照.
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