2001 年 1 月の Studio Life の新宿シアター・サンモールでの公演を観たら面白かったので.最初,舞台劇であることを忘れていて,実写版『11 人いる!』みたいに大虚仮したらどうしようと不安だったが,けっきょく最後まで観てしまうはめに.舞台劇なので,むしろ夢の遊民社の『半神』と比べるべきなのだが,『半神』が,いわば原作からの逸脱,ないしは+αで破天荒なパワーを獲得していたのに対し,『トーマの心臓』は原作に忠実に,言ってみればアニメ版『銀河鉄道の夜』的な「静かな力」を獲得しているといった印象.男優ばかりの劇団で萩尾望都のギムナジウムもの,しかもキス・シーンありということで,現実に生臭い場面もあるのだが, 3 時間の間眼を引きつけておくというのは,並大抵のことではない.
『トーマ』とか『ポーの一族』あたりだと,観る側のほうにも自分なりのイメージが出来上がっている作品なので,それらが持つ違和感をどう克服するかが,観る側にとってのひとつの試金石になるわけでが,わりとすんなり舞台の世界に入って行けた.たぶん,『ウテナ』や『Kanon』で鍛えていたせいであらう (笑).
0 件のコメント:
コメントを投稿