本日の収穫:音観物
- Kate Bush, "The Sensual World The Video", (センシュアル・ワールド), 東芝EMI, TOLW-3189, Jul 27, 1994
- Kate Bush, "The Line, The Cross & the Curve", (レッド・シューズ), 東芝EMI, TOLW-3198, Dec 14, 1994
某オークションにて,ようやく発見捕獲したもの. "The Hair of the Hounds" 以来,映像版からご無沙汰していたのだが,やっと観ることができた.しかも,売り手の Y さんとは, Kate Bush ネタで妙に盛り上がってしまう.
『センシュアル・ワールド』の方は頭にロング・インタビューがあって,あとクリップが 3 本.タイトル曲 "The Sensual World" のみょ〜〜んと延びる音に包まれると気持ち佳い. "Love & Anger" では,なんとデイヴ・ギルモアの変わり果てた姿にお目に掛かれる.おめぇ,いつからグレッグ・レイクになったんだ? ラストの "This Woman's Work" は力が入っていて掌編映画とでも言うべき内容.ストーリーは,オムニバス『アリア』のケン・ラッセルのやつ (『トゥーランドット』) を裏返したと思えば判りやすい (?).音楽は淡々としているのだが,映像の方は,表現は抑えているのにも関わらず激情的.
『レッド・シューズ』の方は,なんとコンセプト・アルバムの通り,全曲を通して短編映画 (約 45 分) になっちょる.まるで Genesis の "The Lumb lies down on Broadway" である.というか,むしろ,こちらの映像版の方が基本であって,音の方は派生物なのかも知れん.ストーリーはグリムのお伽噺がベースだが,それに,ユンクの影がちらほら.強調してあるのは「関係」.もしかして,ウィリアム・メインもイメージ的に関係ある? しかもベースが残酷ものなので,映像は暗めだしアグレッシヴ.リンゼイ・ケンプが出てくるというオマケ付き.こりゃ,やっぱ音だけ聴いてたら判らんわな.こういうのを「頭をぶん殴られる映像」と言うのだ.
帯に曰く『"赤い靴 (レッド・シューズ)" によって導かれる狂気にも似たダンスの世界……』.まぁ,そうなんだけどさ,なんでそう即物的に解釈するかな.ダンスは "赤い靴" の派生物だからエエとして,「狂気」なる言葉で形容される世界を導入する "赤い靴",この「赤い靴」にまで矮小化されたものが,いや,そこまで矮小化しないことには手に負えないであろうナニモノかを感じ取る感覚が残されていることを確認すれば,それでエエのだ.
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