本日の収穫:観物
- Wagner "Der Meistersinger von Nürnberg" Weikl, Schenk, Jerusalem, Haeggander, Clark, Schiml, Prey, Stein, PH, PHLP-9012/4, 1990, 1995
『マイスタージンガー』は 1984 年のバイロイトのライヴ.ウォルフガング・ヴァーグナーのプロダクションのプレミエは,これの 3 年前. NHK FM で流れたのでエアチェックして聴いておった.マーク・エルダーが振った年の放送である.これと主要なメンバーはほとんど変更なし.指揮はシュタインでこれまた文句なし.観始めてから気付いたが, 3 枚組でトータル 4 時間半という長丁場.おお,こんなに長かったんか.ヴァイクルは,さすがに声が佳いな.イェルザレムのヴァルターも若々しくて佳い.ちょっと頼りなさ気なところなど,ええ感じである.エヴァのヘガンダーさんだが,ルックスは可愛くて佳いのだが,声量がないのと声の輪郭がぼやけてるのがちょっとな〜.んで,ベックメッサー役のプライだが,さすがに上手いな〜.ベックメッサーは仇役でこてんぱんにやられてしまうんだけど,この演出では,ヴァルターが優勝を決めたあとのザックスの説教で,その最後でベックメッサーとザックスが握手するシーンがあって,ちゃんと和解したことが判るようになっている.うんうん.全音階の洪水は非常に心地佳い.エンディングでは,やっぱ感動してしまうのであった.
初めて聴いたときは,ヴァルターの歌よりもベックメッサーの方が数段佳いように聴こえたのだが,今聴くとヴァルターの方もなかなか佳いではないか.ちょっとプッチーニ掛かってるけど.
しかし,ザックスの最後の説教は,やっぱ取りようによってはアーリア第一主義に利用されかねないかも.歌合戦の勝者がポーグナーの娘エヴァを獲得できるっちゅーのもフェミニストに取ってはとんでもない話かも知れぬ.
さて,ここで質問.第三幕の歌合戦でベックメッサーとヴァルター各々が歌う歌だが,ストーリーからすると,これはどちらもザックスのメモを下書きにしている.それにも関わらず,ベックメッサーの歌があんなにシュールになっちまったのはなぜか?
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