ぐる式 (貳) より引っ越し作業中.未完.

2008年5月5日月曜日

安部公房『どれい狩り』,俳優座 1955

「いや,そりゃ作者にいかんよ.作者の奥さん来てんだよ,今日,ちゃんと」 © 飼育係.

1955 年というから,もう 50 年以上前.この前の 京劇二本立て の映像の前年,今度は安部公房.モノクロ,モノラル.さすがにこまかい表情は判別できない.例によって台詞カットが幾つか.少なくとも「気違い」と思しき言葉がカットされてる.「気違い (気狂い) 病院」あるいは「瘋癲病院」か「癲狂院」だと思われるが,原作未読なんで詳細不明.なお,今回は台詞だけでなく,シーンのカットもあるようで,そのせいで繋がりが恐ろしく難解になってる.なお,探検家役の小沢栄は小沢栄太郎.嫌なことに気付いたが,局テロップの下に「アナログ」と常時表示されるように改悪されている.

  • 閣下:浜田寅彦
  • その娘 (ヨシコ):杉山徳子
  • 飼育係 (フジノ):永井智雄
  • 秘書:仲代達矢
  • 探検家:小沢栄
  • 女中:中村たつ
  • 運転手:中谷一郎
  • ウェーの男:稲葉義男
  • ウェーの女:菅井きん
  • 大臣:松本克平
  • 大臣夫人:中村美代子
  • 警官:溝井哲夫
  • 警官:木村愰
  • 人夫:山崎直衛
  • 人夫:矢野宣
  • 放送局員 A:中野伸逸
  • 放送局員 B:平田守
  • 狂人:武内亨
  • その付添:岸輝子
  • 先生の声:野村昭子
  • 作・安部公房
  • 演出・千田是也
  • 装置:北川勇
  • 照明:篠木佐夫
  • 効果:中村準一
  • 衣装:千田是也
  • 舞台監督:川路昌夫
  • 1955 年 6 月,俳優座劇場

役としてのウェーは台詞が多いから舞台に引っ張り出す必要があったんだろうけど,どうだろう,これ,具象物としては出さないケースだったとしたら,とか思う.このケースだとプロパガンダとしての側面が露骨になってる気がするな,とりわけ今の時点で見ると.テンポや展開は今風というか,全然違和感がない.で,イントロお題の「ウェーとは何か」,とりあえずは「他者」という名の自己ということでよろしいですか.たいていの場合は鏡として機能しているようだけど.自己が「他者」すらも呑み込んでしまうまでに肥大してしまうと,そちらでは n+1 次元の自己=他者という風になっとるようだが.

9 件のコメント:

  1. 安部公房好きなので、これはすごく観たいです。

    返信削除
  2. もともと佳くない画質に加えて,更に圧縮掛けて 4.7GB に押し込んだので 2/3 D1 になりました.それで佳ければ (笑).

    返信削除
  3. もちろん、いいですよ。観れるだけで十分。

    返信削除
  4. では,1) いつ, 2) どこで,ですね.

    返信削除
  5. 「どれい狩り」 録画し損ねました!NHKアーカイブセンターでも検索しましたが、ありませんでした。そこへ検索しているうちに このサイトと出会いました。 私にもダビングを見せて頂けないでしょうか。

    返信削除
  6. >私にもダビングを見せて頂けないでしょうか。具体的にどのような方法をお考えですか?

    返信削除
  7. ご提供いただける料金や送料をメールアドレスの方に教えていただき、ご指定の口座に振り込みますので、お手数ですが、DVDか何かで送付して頂けるとありがたいです。

    返信削除
  8. 本気ですか?>ご提供いただける料金や送料をメールアドレスの方に教えていただき、>ご指定の口座に振り込みますので、お手数ですが、DVDか何かで送付>して頂けるとありがたいです。明らかに私的複製の範囲を逸脱してませんかね,コレ.

    返信削除
  9. それを販売となるとそうかもしれませんが、知り合いに実費で譲ってあげる、という観点ならどうでしょうか?

    返信削除