ぐる式 (貳) より引っ越し作業中.未完.

2007年2月20日火曜日

Noir #11 月下之茶宴

「(意思の疎通を諦めて,舌の先に置くように) あたしにもちょ〜だい」 © ミレイユ・ブーケ.

わたしに断りなく「あの子たち」とデートすることは許さない,と,クロエが山羊髭男を始末し,替わりに自分がデートに向かうお話.別の意味では,山羊髭男は「苗木には常に光と水を」というソルダの方針に従っただけなのだが,アルテナさまは自分のやり方と異なるのでお気に召さない.クロエを差し向けて山羊髭男を始末するというわがまま (で狂暴な) おばさまのお話.

アルテナさまはクロエへのスネイル・メイルで「風は同じ方向に吹くべきなのです」と意見の対立も認めない見解を吐露.つねに同じ方向から吹く風は例えば偏西風である.その風速が最大となるのは対流圏界面付近.すなわち,アルテナさまはご自分を天上界の唯一の住人であるとお考えなのである.カオス的状況は理解していはいても行解しているかどうかは不明.配下のクロエはアルテナさま原理主義者であり,天上界を指向しているが,自身が天上界に属するかどうかは未決定である.ノワールの二人をこの構図に組み込んでみると,地表に近い順番から,ミレイユ,クロエ,霧香となる.自身の意志を明確にしない霧香はクロエよりも天上界に近いのである.「月下之茶宴」でクロエが露骨に霧香指向である理由はここにある.クロエにとって,自分を含めた上層は一括してアルテナ界となり,霧香はそこにいるべき住人という認識なのである.

  1. part A サブ・タイトル前
    1. 霧香ナレーション. "les soldats". 0’20".
    2. 前回三人娘初顔合わせの回想〜あれは何だったのか. "chloe". 1’06".
  2. part A サブ・タイトル後
    1. (※) 謎の投函物. 第一話 B パートでの霧香の「わたしは誰? わたしはノワール.それ以外は何も判らない」で使われていたタイトル不詳のシンセ曲のアレンジ違い版. 0’30".
    2. (※) 謎の投函物の差出人山羊髭男からのデートのお誘い〜お出掛けする二人.これもタイトル不詳のシャッフル. 1’01".
    3. (※) 顔見せだけで次回のデートの予約を一方的に告げて去る山羊髭男を追う二人. 第三話 A パートで使われていたアップ・テンポのタイトル未詳曲. 0’25".
    4. 山羊髭男消失〜アルテナさま,天上界でトンデモ発言〜実はクロエに宛てた手紙の文面〜クロエ,ランベール記念館へ出動〜山羊髭男にご対面. "les soldats". 2’12".
    5. (山羊髭男に「二人を消すつもりか?」と問われて) ほくそ笑んで答えないクロエ. "les soldats" のラテン語風コーラスの一部. 0’07".
  3. part B
    1. 雨の中,三日後に再度訪れたランベール記念館で頑張る二人〜コイン・トラップ〜霧香,枝から逆さ撃ち,飛び降りざま首折りなど〜手ぶらで帰宅.これが初出か, "power-hungry". 2’07".
    2. (※) 思い掛けない訪問者クロエ〜シャツ一枚でお出迎え (霧香はピンクのセーター),固まってるミレイユ〜ずかずか入り込んで部屋の中を珍しそうに見て回るクロエ〜「遠慮なく取れば佳い」〜お湯が沸いてピ〜ッ. 第一話 B パートでの霧香の「わたしは誰? わたしはノワール.それ以外は何も判らない」で使われていたタイトル不詳のシンセ曲. 1’29".
    3. (※) 三人娘月光下之茶宴〜まるで噛み合ってない会話のようだが,クロエは霧香がお気に入り.珍しく輪郭のはっきりした弦楽メヌエット. 1’50".
    4. 「お替わりどうですか」〜解散お見送り〜クロエ,霧香がセータの右袖に隠し持っていたケーキ用のフォークを奪う「これ,あたしにください」 (このフォークは覚えておくこと)〜しれ〜っと去るクロエ〜見送る二人〜山羊髭男はもう生きてはいないだろう. "chloe". 2’02".
  4. 比率
    • 13’09" / 20’40" = 63.6% (07’31").

霧香は聞こえないはずの電話の内容を,ミレイユのボディ・ランゲージを通じて感知するらしい.ローレンツの本にでも出て来た話である.ただし,それはイヌの話だが.

出動するクロエ,クローゼットにはけっこう可愛い系の衣装もブラ下がっているのにも関わらず,着るのはいつもの目立ってしょうがないぞんぞろりんとした緑のマントである.クロエが可愛い系の衣装をまとうことってあったっけ (笑).

用心しいしいドアを開けてみたら,そこに立っていたのはクロエで茫然自失固まってるミレイユというのはエエが,その格好がシャツ一枚というのは,仕事人としてあまりに不用心では (笑).

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