ぐる式 (貳) より引っ越し作業中.未完.

2007年2月25日日曜日

Noir #12 刺客行

「わたしはそこ (荘園) でアルテナといっしょに暮らしています」 © クロエ.そうやって,あちこちでネタをばら撒く癖は直した方が佳いと思う (笑).あと,その芝居っ気も.力が拮抗している相手だと,それは命取りになりかねんぞ.

正体不明のクロエの謎と「月下之茶宴」の電波振りが尾を引いてるのか,たぶんミレイユが寝込んでるんだろう,替わってクロエが追加のソロを披露.フランスからスイス入りして山荘殺人ともう一件である.ノワール (見習い) はアルテナさま直属機関だから,追加の仕事がどんだけ来ようが超過勤務手当なんて出ないんだろうな.そもそも,児童福祉法 (日本では満 18 歳未満を児童とする) に違反してないか (笑).

スタイルの違い.霧香の滅法界にステキな強さの秘密は自己の内部での他者がどう認識されているかに依る.この点で霧香とアルテナさまは佳く似ている.クロエはかえってミレイユに近い.

  1. part A サブ・タイトル前
    1. クロエ・ナレーション.いつもの霧香の文句とは違って, 第七話 でアルテナさまが捧げていた「ノワール,其は古よりの運命の名.死を司る二人の処女.黒き御霊は迷児を,劫火の淵に誘ひ給ふ」. "les soldats". 0’20".
    2. 間髪を容れずに,出張クロエお目覚め〜猫なので顔拭い〜アルテナさまのお手紙朗読〜どさくさに紛れてお仕事の追加〜出動.やはりぞんぞろりんの緑マントである (笑). "lullaby" のギター版. 0’55".
  2. part A サブ・タイトル後
    1. (※) 旧東ドイツ国家保安局 (STG) 出身の麻薬密輸組織の長コンラート・ゼルナー登場. 第五話 B パート頭「サン・ギャラン教会の謎」で使われていた白玉シンセ曲. 0’26".
    2. ゼルナー, NATO を退役した将校のライマン殺しにロシュマンのチームがスイス入りしたとの報告を受ける〜やはりスイスでライマン山荘を徒歩で目指すクロエ〜クロエ到着〜ライマンの護衛は若手のハインツともう一人顎髭の若僧〜ライマン,クロエがソルダ所属であり,自分を殺しに来たと見破る〜クロエ「ピーター・ライマン将軍ですね?」,ドイツ人なら「ペーター」と呼ぶべきだろう. "power-hungry". 2’09".
    3. 自分を殺しに来たクロエを引き連れて,日課にしているという午後の山歩きに出掛けるライマン〜アルペン・ローゼのエピソード「綺麗な色.赤よりも淡い.でも薄紅色より力強い」.御託を並べてないで,素直に「鮮血の色だ」と言え,クロエ (笑)〜タモリに似たロシュマンが率いるチーム計六人もやって来た〜ライマンの御託「スイスの森は明るい.ドイツの森は暗い」,そりゃシュヴァルツヴァルトというぐらいだからな. "whispering hills". 2’13".
    4. 「そう.ソルダに逆らってはならない.それがルールだ」〜クロエ「お仕事の遂行に理由は必要ありません」〜ロシュマン・チームの攻撃開始〜クロエ,ばったばったと刺し殺す〜六人全員片付ける所要時間は 1’31".殺すのに大きな音がしないのは利点だけど,傷痕はエグいよな〜.ところで,あの投げナイフは,アシが付かないように終わったあとで回収するんだろうな,やはり.想像すると可笑しいが. "les soldats",ただしコーラスなし. 2’17".
  3. part B
    1. (※) 銃声を聞いて駆け付けたハインツと顎髭若僧,屍体六体を見て驚く.お前ら付かず離れずで護衛してたんじゃなかったのか. 第九話 アイ・キャッチ直前で使われていた やがやがやがやが やががやががやが. 0’09".
    2. (※) 夜の山荘〜今夜は荒れそうだな〜未成年のクロエにワインを供しているいけないおぢさんライマン (このあと,生意気にも呑んでる (笑))〜ライマンのゼルナー解説〜組織間の対立がいつの間にか個人的な怨恨に転化しとるやんか.そうそう,クロエによれば,アルテナさまがおわす天上界は「荘園」と呼ばれているらしい. 第一話 B パートでの霧香の「わたしは誰? わたしはノワール.それ以外は何も判らない」で使われていたタイトル不詳のシンセ曲. 1’35".
    3. (※) ニブちんライマン,クロエが「ノワール」であることを知る.ワインを呑み干したクロエ,ようやくお仕事半分終わり.もしかして初出のシンセ曲.アルペジオというよりポワンティリスム. 0’47".
    4. 現場をハインツに見られた〜銃を構えているハインツ. "salva nos" の無伴奏コーラス.遠くから. 0’18".
    5. ハインツ,撃てない〜見切ったクロエ,悠然と立ち去る. "salva nos" の無伴奏コーラス.近くから. 0’19".
    6. ゼルナーのオフィスに姿を現すクロエ〜ようやく追加お仕事完了〜「荘園」へ帰る〜クロエの立ち居振る舞いは猫似だけど,その精神は北方犬種のソレだな.追加のお仕事の件もミレイユにも言及なく,あるのは「あの子」=霧香と,奪い取ったケーキ・フォークのみ〜二人組のアジト〜パンして紅茶セットのカップとフォークのアップで暗転. "lullaby" のヴァイオリンとギター版. 2’52".
  4. 比率
    • 14’20" / 20’40" = 69.4% (06’20").

クロエの当番回なのに,自身のテーマ "chloe" が一回も出て来ないという小憎らしい構成になっている.それに替わってフィーチャされているのは,アルテナさまのテーマとも言うべき "lullaby" で合計すると四分近い.アルテナさま原理主義者のクロエが,心理的に如何にアルテナさまに依存しているかを露骨に顕したものと言えるであろう (ほんまかよ,をい).

前回 の山羊髭男が誇らし気に「ソルダは世界を覆っている」と語っていたが,現実的なはずの NATO の情報将校間にもその存在は知られているらしい.しかも,アルテナがその主要構成員でノワールを率いているということも知られている.それって情報ダダ漏れでヤバくないですか,アルテナさま.リスク管理をもう一度見直すべきでは.

「その発想が誤りなのだ.わたしも彼らも,その誤りの連鎖から抜け出せなかった」 © ペーター・ライマン.ポトラッチの蕩尽から抜け出すためには,ポトラッチの外側にいなければならない.つまり文化の外側に立つ必要がある.それがどんなに困難なことか判りますか,ライマン将軍? あなたの言っていることは,体制内にいて反体制を叫んでいる猿の立場に幾分か似ていませんか?

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