ぐる式 (貳) より引っ越し作業中.未完.

2007年8月23日木曜日

小野寺健『オーウェル評論集』

  1. なせ書くか (Why I Write, 1946)
  2. 絞首刑 (A Hanging, 1931)
  3. 象を撃つ (Shooting an Elephant, 1936)
  4. チャールズ・ディケンズ (Charles Dickens, 1940)
  5. 鯨の腹の中で——ヘンリー・ミラーと現代の小説 (Inside the Whales, 1940)
  6. 書評——アドルフ・ヒトラー著『わが闘争』 (Review of Mein Kampf by Adolf Hitler, 1940)
  7. 思いつくままに (As I Prease, 1944)
  8. ラフルズとミス・ブランディッシュ——探偵小説と現代文化 (Raffles and Miss Blandish, 1944)
  9. 英国におけるユダヤ人差別 (Antisemitism in Britain, 1945)
  10. P. G. ウドハウス弁護 (In Defence of P. G. Wodehouse, 1945)
  11. ナショナリズムについて (Notes on Nationalism, 1945)
  12. 出版の自由——『動物農場』序文 (The Freedom of the Press, 1945)

文学論あるいは狭義の文化論

その昔『象を撃つ』を読みたくて買ったのだが,分量としてはディケンズ論 96 ページ,ミラー論 70 ページと,この二篇だけで全体の半分近くを占める文学論 (あるいは狭義の文化論) の方が面白かった.ってな感じで「もっとも広い意味での「政治的」目的」のために書くオーウェルのエッセイ集.ディケンズ論ではディケンズの限界を露にすると見せ掛けて,ディケンズの読者の限界の方が暴露される.ミラー論はs実は現代文学論.類型化と「屍体に囲まれたホイットマン」.「完全に消極的で,非建設的で,道徳とは無縁の作家であり,単なるヨナ,受け身の姿勢で悪を受け入れる」云々.これって,まるでロブ・グリエに対する評価かと思わせる (笑).しかし,ヨナ伝説〜鯨の腹の中〜胎内回帰だとは思い付かんかった.

ナショナリズム

ここで扱われているナショナリズムは「個人としての自分を捨て,その中に自分を埋没させる対象として選んだ」概念を指す.その対象が必ずしも実在する必要は無い.特徴は,1) 偏執, 2) 不安定 (対象概念が簡単に変更可能であること), 3) 現実無視.以下,積極的な型,転移型,消極的な型という分類.平和主義や人種差別は転移型に属する.自国を嘲笑する感情やユダヤ人差別は消極型.

ディケンズに現われる外国人への蔑称.ワップ→イタリア移民.デイゴ→南欧移民.フロッギー→フランス人.スクエアヘッド→ドイツ,オランダ,スカンディアヴィア系移民.カイク→ユダヤ人.シーニー→ユダヤ人.ニガー.ウォグ→中東地方人.チンク→中国人.グリーザー→ラテン・アメリカ系.とくにメキシコ人.イェローベリー→黄色人種.「これでもほんの一部である["オーウェル評論集", 小野寺健 編訳, 岩波文庫, 1982, 1986, p. 86-7.]」.

ぼくらの

Cecil Day-Lewis の "The Magnetic Mountain" (1932) には「きみたちはいま出発する,これからはきみたちの責任なのだ」という詩があるらしい[ibid, p. 183.].ここではパブリック・スクール—大学—ブルームズベリ型の典型の一つとして揚げられてるんだが.

Uriah Heep

ユーライア・ヒープ (Uriah Heep) って,『デイヴッド・コパーフィールド』に出て来るキャラ「偽善的な書記ユライア・ヒープ」[ibid, p. 75.]だったんか. Uriah Heep (band) - Wikipedia, the free encyclopedia

0 件のコメント:

コメントを投稿